兵庫の成人式、10市町が延期 30市町は開催予定 新型コロナで分散・簡素化
成人の日(11日)を前に、兵庫県内の自治体が成人式の在り方に頭を悩ませている。新成人の帰省で新型コロナウイルスの感染が広がる恐れがあるとして、但馬や丹波、淡路などの10市町が延期を決定。3日に開いた佐用町を除く残り30市町は予定通り10、11日に開く予定だが、「密」を避けるため式を簡素化し、時間や会場を分散させるなどの対応を強いられている。 【写真】兵庫で過去最多248人感染 新型コロナ 政府の新型コロナ感染症対策分科会は昨年12月、感染が拡大している地域に対し、成人式のオンライン化や開催時期、時間の分散などを検討するよう要請。関西広域連合も5日、成人式前後の会食を控えるよう求める宣言をまとめた。 淡路島の3市は昨年、そろって成人式の延期を決定。各市の担当者は「島外に出ている新成人が多く、実家への帰省や式後の同窓会で感染が広がる可能性を払拭できない」と口をそろえる。式の日程は白紙で、感染状況で決めるという。 新温泉町や市川町などは、帰省のタイミングを考慮し、5月の大型連休に延期した。夏にずれ込むと、暑さで振り袖を着られなくなるのも理由という。市川町の担当者は「5月には収まっていてほしいが、先が見通せない」と頭を抱える。 開催する自治体でも、受付時の検温や座席の間隔を空けることに加え、保護者や来賓の招待を見合わせたり、アトラクションや記念撮影を取りやめたりするなど対策に追われる。 姫路市は、住所別に午前と午後の2部制に分けた上で、市文化センターの大小ホールだけでなく、展示室や近くの中学校体育館も使い、会場を4カ所に分散。大ホールでの式典の模様をオンライン中継でつなぐ。 昨年から甲子園球場で開催する西宮市は、新成人の座席をバックネット裏だけでなく、一、三塁側にも拡大。飛沫感染防止のため、昨年話題を集めたジェット風船は中止する。 芦屋市は、市長や議長の式辞や祝辞をビデオメッセージに変更。国歌や市歌を伴奏だけにするところも多く、豊岡市は大相撲の国歌斉唱にならって「声を出さず、心の中でご唱和ください」と呼び掛けるという。 神戸市は、当日が晴天の場合、換気対策として会場となるノエビアスタジアム神戸の屋根を開ける。例年実施してきたゲストライブは中止し、参加を見送った新成人向けに式典のライブ配信を行う。(長谷部崇)