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有害なプラスチック食べる細菌発見、高温や酸性環境でも生存

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The Guardian

【記者:Damian Carrington】  有毒なプラスチックを餌にする細菌が、新たな研究により発見された。この細菌はプラスチックを分解するだけでなく、分解を進めるためのエネルギー源としてもプラスチックを利用するという。研究結果は学術雑誌「フロンティアーズ・イン・マイクロバイオロジー」に掲載された。  この細菌は、プラスチックが捨てられた廃棄物処理場で見つかった。ポリウレタンを分解することが判明した最初の細菌となる。プラスチックは毎年、数百万トン規模で生産されているが、再生処理があまりにも困難であるため、ほとんどが埋め立て地に送られている。  プラスチックは分解の際に、有害かつ発がん性のある化学物質を出す可能性があり、このためほとんどの細菌は死滅してしまう。しかし今回発見された細菌の菌種は、生き延びることができる。  研究チームの一人、独ライプチヒのヘルムホルツ環境研究センター(UFZ)のヘルマン・ハイパイパー博士は「今回の発見は、再生処理が難しいポリウレタン製品の再利用に向けた重要な一歩を示している」と話す。一方で、この細菌を大規模活用できるまでにはあと10年かかる可能性があり、再生処理が困難なプラスチックの使用を削減し、地球環境におけるプラスチック量を減らすことが非常に大切だと話した。  研究では、高温や酸性環境など厳しい状況下でも生存できることで知られるシュードモナス属の細菌の新種を特定した。  研究チームは実験室で、ポリウレタンの主要な化学成分を餌としてこの細菌に与えたところ、「細菌が、こうした成分だけで炭素、窒素、エネルギーを作れることが分かった」とハイパイパー氏は説明した。  これまでポリウレタンの分解には真菌類が使われてきたが、産業向けに活用するには、細菌の方がずっと扱いやすい。ハイパイパー氏によると次のステップは、この細菌がポリウレタンを分解するために分泌する酵素の遺伝暗号を指定する、遺伝子を特定することだ。  英ポーツマス大学酵素イノベーション・センターのジョン・マギーハン教授は、この研究を絶賛する。「特定のポリウレタンは、分解時に有毒な添加剤を出しかねず、慎重に扱う必要がある。研究チームは、こうした化学物質に対処できる菌種を発見した」とマギーハン教授は話した。  ハイパイパー氏は次のように述べた。「環境に大量のプラスチックがあるということは、そこには多くの炭素があり、それを食料とする進化があることを意味する。細菌は大量に存在しており、その進化は非常に速い」 「だからと言って、微生物学者らによる取り組みが、完全な解決策になり得るという意味では決してない。一番大切なのは、そもそもプラスチックを環境に出さないようにすべきだということだ」 【翻訳編集】AFPBB News 「ガーディアン」とは: 1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

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