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増える双子、三つ子。母親を孤立させてはいけない

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ハルメクWEB

三つ子の虐待死事件、どう考えますか?

不妊治療の普及などを背景に、双子や三つ子などの「多胎児」を育てる家庭が増えています。多胎児となると育児の負担はさらに大きく、多胎児家庭の虐待死リスクは2.5~4倍といわれます。虐待予防の観点からも、手厚いサポートを求める声が高まっています。

3人あわせて1日に24回の授乳

多胎児育児の過酷さは、かねてより指摘されてきました。再注目されるきっかけとなったのは、2018年1月に三つ子を育てる母親が起こした暴行死事件でした。 この事件は愛知県豊田市で起きました。不妊治療で授かった三つ子を育てる母親(当時30歳)が育児困難に陥り、三人の中でも成長が遅かった次男(当時11か月)を畳に投げ落とし、死なせてしまいました。 裁判では、母親は1日に3人合わせて最低でも24回の授乳を行っており、寝る暇もほとんどなかった壮絶な育児が明らかになりました。新聞報道によると、実家を頼ろうにも母親の両親は飲食店を経営しており、全面的には頼れませんでした。また、夫も半年間の育児休業を取得しましたが、おむつ換えに失敗したり、上手にあやすことができなかったりしたため、母親は次第に夫を頼らなくなったといいます。母親は、自宅を訪問した保健師に育児の困難を相談。しかし困難は解消されずにうつ病を発症しました。弁護側は「(被告は)行政や病院に不安を訴えたのに、適切な支援がなされず、追い込まれた」と、母親が事件に至る社会的背景に理解を求めました。 (2019年3月20日・朝日新聞夕刊「三つ子育児、追い込まれた母 たたきつけた次男死亡、実刑判決 弁護側は控訴方針」より) 二審で母親の実刑判決(懲役3年6か月)は確定。しかし多胎児の育児を支援する団体などからは「母親だけの責任ではない」「実刑判決は厳しすぎる」などと、母親の過酷すぎる育児に思いを寄せる声が上がりました。

「事件は、他人事ではない」双子を育てる母親の声

「この事件を聞いたとき、私も疲労がたまっていたので、他人事ではないと思いました」と話すのは、現在、1歳の双子の男の子を育てる会社員の吉川弘美さん(仮名、29歳)です。 弘美さんによると、双子育児の過酷さは、単純に「育児の大変さが2倍になる」という言葉では語ることはできないといいます。特に精神的なイライラが募るのは、食事のときと、ぐずったとき。1人の子どもの行為によって疲弊させられていたところに、もう1人が畳み掛けてくることはしょっちゅう。また同時にぐずり、思考停止に陥る状態が、何度も繰り返されるのが双子育児の特徴だといいます。 「この前は、食事中に1人がわざと落としたスプーンを拾おうとかがんだら、もう1人が私の頭上にごはんを放り投げてきました。さらに2人とも『自分で食べたい!』と主張したので食器を渡したら、あっという間にすべてひっくり返してぐちゃぐちゃにしてしまいました。このときは疲れていたので……。もう泣くしかありませんでした」(弘美さん)

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