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新型コロナ予防に乳酸菌は効くか? エビデンスを見極める(前編)

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免疫力を高めるためにこの食品を! あのサプリメントを!

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、書籍やテレビ、雑誌、ウェブメディアなどにこんなフレーズが氾濫しています。勧められている食品は、乳酸菌や納豆、はちみつなど多岐にわたります。海外ではビタミンDのサプリメントが注目の的です。

 消費者庁は、「新型コロナウイルス予防に根拠のあるサプリメントや特定の食品はありません」と断言しています。なのに、多くのメディアで同じような食品が、医師や管理栄養士によって「免疫力を高める」と推奨されているのです。だれもが混乱して当たり前の状況です。  そこで、日本の栄養学の第一人者で医師でもある東京大学大学院医学系研究科の佐々木敏教授に、メールでインタビューしました。どの食品にエビデンス(科学的根拠)がどの程度あるのか。人気の乳酸菌やビタミンD、さまざまな食品の“効き目”から情報の読み解き方まで、詳しく聞きました。

「免疫力」という言葉を使ってはいけない

松永:最初に申し上げると、この記事では「免疫力」という言葉は使わないようにします。免疫力という言葉には科学的な定義がなく、医師や管理栄養士等もそれぞれ、自分の都合の良いように使っています。今、新型コロナウイルスを取り上げたムック本が大量に出てきているのですが、「免疫力にまさる薬はない」とか「免疫力を上げる食事術」とかひどいものです。 佐々木:「〇〇力」という言い方はいろいろなところで使われていますね。そのなかには、ぼんやりとした概念として使われているものがかなりあるように思います。たとえば女子力(笑)。 松永:そうなんです。多くの人がなんとなく言葉を使っている。 佐々木:科学者が気にするのは「測れる」ということです。測り方はその方法も精度も時代とともに変わっていってよいのですが、とにかく測る。では、免疫力はどのように測るのか? たくさんある場合、それらをまとめて、これが「免疫力だ!」という測定方法はあるのか? 免疫力ということばに松永さんやぼくが違和感を覚えるのはこの辺りではないでしょうか。 松永:NK細胞活性が上がるとか、IgAの分泌が増え……などと数値で説明される場合もあります。免疫は、たくさんの種類の細胞が関与する複雑、総合的な仕組みのはずなのに、ほんの一部の指標が持ち出され語られる。聞き慣れぬ専門用語と数値に、科学的と受け止めてしまう人が多いようです。 佐々木:免疫学の教科書には免疫力という用語が載っていないみたいですよ。これは別の機会に免疫学の研究者に教えていただいてください。ぼくは、免疫学ではなくて疫学の研究者なので(笑)、知ったかぶりは止めておきましょう。

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