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『エール』福島イケメン三羽ガラスの“眼福感”がハンパない

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6月22日から放送されている朝ドラ『エール』第13週「スター発掘オーディション!」で、佐藤久志(山崎育三郎)が、裕一(窪田正孝)と鉄男(中村蒼)の勧めでいよいよプロの道を志すことに。さらに、久志が受けるオーディションのライバルとして、あの“ミュージックティ”御手洗(古川雄大)も登場するイケメン揃い。目にも楽しい展開となった。 窪田正孝 バレンタインデーの夜 楽屋口に女性ファン殺到 特に、6月23日(火)放送の62話では、久志が歌手を目指した理由が明かされ、改めて福島三羽ガラスの才能を認め、伸ばしてくれた藤堂清晴(森山直太朗)のすばらしさに感動した。そこで、6月29日から始まる再放送のお楽しみとして、改めて鉄男と久志の歩みを名シーンとともに振り返ってみよう。 ◆新聞記者から作詞家へ転身した元ガキ大将・村野鉄男 「しがみつけば必ず道は開くって。大将、詩人になれるよ」 親に詩を書いていることを咎めらる場面を見られた気まずさから、裕一のハーモニカを壊してしまった鉄男(幼少期・込江大牙)。第2週「運命のかぐや姫」6話に登場した冒頭のセリフは、己の過ちを素直に詫び、打ち解けた裕一(幼少期・石田星空)と語らう中で言われた言葉だ。鉄男はその言葉を信じ、両親の借金で夜逃げした後も詩を書き続けていた。 藤堂先生もまた、苦境に立たされた鉄男を励ましてくれた。「自分の才能から逃げるな。後悔するぞ」と言って渡したのは、後に鉄男が就職した、福島日民新聞社の記者・沖隆の名刺だったのだ。学ぶことを親に否定され、理不尽な暴力を受けても、歯を食いしばって耐えるしかなかった鉄男にとって、裕一や藤堂の励ましは、辛い時期を乗り越える力になったに違いない。 だからこそ、第3週「いばらの道」15話で銀行員になった裕一(窪田正孝)と再会し、彼が音楽をやめたと知った鉄男(中村 蒼)は、怒り悲しむ。自分が詞を書いて、それに裕一が曲をつけ、レコードになってみんなに聴いてもらいたい……鉄男はずっと、その夢を温め続けてきたのに、焚きつけた張本人が音楽を止めているのだから、怒るのは当然だ。でも、そこからの鉄男の“エール”がすごかった。 イギリスの音楽雑誌社・エスター主催の「國際作曲投稿募集」の雑誌記事を見つけると、裕一に熱心に応募を勧めただけでなく、満月を見てたまたま口にした「竹取物語」の和歌が、作曲の大ヒントに。そうして完成した交響曲「竹取物語」が入賞したことを藤堂から聞きつけると、すぐに新聞のスクープ記事にして、“日本が生んだ天才作曲家・古山裕一”が歩むべき道筋を拓いてしまった。鉄男は、「お前、このままじゃダメになっぞ。俺は諦めねぇから」という言葉通り、裕一を音楽の世界に引き戻したのだ。 鉄男がもっとも注目を集めたエピソードといえば、第9週「東京恋物語」~第10週「響き合う夢」で描かれた、希穂子(入山法子)との悲恋。音(二階堂ふみ)がバイトを始めたカフェー・パピヨンに務める女給として登場した希穂子は、実は鉄男が福島で交際していた女性だった。しかし鉄男と自分の娘を結婚させたい新聞社の社長・堂林から、別れないと鉄男を解雇すると半ば脅され、自ら身をひいて福島から上京していたのだ。 音を心配する裕一から、カフェーに様子を見に行って欲しいと頼まれた鉄男は、希穂子と再会。必死に復縁を迫るが、希穂子の頑なな態度は変わらず、結局フラれてしまう。その晩、古山家で泥酔して「俺はどうしようもねぇバカだ! ああ~希穂子~」と裕一の前で醜態をさらした鉄男。小学生の頃の、厳しい状況を淡々と受け入れ、静かに戦っていたクールな男の姿とは180度違う情け無い姿だったが、自分の気持ちを素直にさらけ出す様子は、とても人間らしく親しみが持てた。 そんな鉄男の恋心を綴った詞「福島行進曲」は、裕一が作曲し久志(山崎育三郎)が歌う……とはいかず、女性歌手による歌でレコード化された。その祝賀会で「やっぱし希穂子じゃなきゃダメだ! もう一人で頑張らなくていい。俺と一緒に生きてくれねぇか?」とプロポーズするも、やはりフラれてしまう。しかし気持ちに区切りがついたことで吹っ切れたのか、鉄男は新聞社を辞めて作詞家になる決意をし、上京。運良く、故郷へ帰るというおでん屋の店主から店を引き継ぎ、屋台で生計を立てながら作詞をしていく生活をスタートさせたのだ。 「福島行進曲」が売れなかったため、作詞家として身を立てるにはまだまだ苦労するが、裕一や久志だけでなく、木枯正人(野田洋次郎)、「船頭可愛や」を歌った藤丸(井上希美)らに囲まれて過ごす鉄男は、いつも楽しそう。だからきっとだいじょうぶ、と安心して見守ることができそうだ。 鉄男のモデルは、裕一のモデルとなった古関裕而の幼なじみで、作詞家の野村俊夫。久志のモデルで歌手の伊藤久男とともにレコード会社コロムビアに所属し、大ヒットを連発し。実際に「コロムビアの三羽ガラス」と呼ばれていた。 ◆東京音楽学校のプリンスから夢追い人に!? 佐藤久志 山口太幹が演じた神出鬼没のお坊ちゃま・佐藤久志が、音楽学校の女生徒憧れの“プリンス”に大変身。ミュージカル界の“プリンス”山崎育三郎が “プリンス”を演じることで、久志が再登場した第7週「新生活」33話は大きな話題となった。 しかし、小学生のときに「ピアノを弾いている」と言っていたものの、県議会議員の跡取り息子が、なぜオペラ歌手を目指しているのか理由が明かされず、いきなりのキャラ変にびっくりした人も多かっただろう。 第13週62話で、久志が離婚した実母と別れた辛い体験を経て、藤堂先生に「いい声をしている」と褒められたことが、歌手を目指すキッカケになったと判明。金持ちでかっこいいだけではなく、悲しみや辛さを抱えながらも前向きに生きる、久志の奥深さを感じた話となった。 裕一が久志と再会したキッカケは、音が久志を喫茶「バンブー」に連れてきたことだった。新婚の音がイケメンをいきなり生活圏に連れ込んだことに、バンブーの店主・梶取恵(仲里依紗)が「やる~♪」と一波乱ありそうな発言をしたものの、顔を合わせた2人は思いがけぬ再会に大喜び。裕一がレコード会社の専属作曲家になったと知って、「自分の目は正しかった」と相変わらずの自画自賛ぶりをみせつつ、デビューできずに悩む裕一を励ます姿に、彼の人間的な成長を感じたものだ。 以降、学校では「椿姫」のヴィオレッタ役に挑戦する音にアドバイスをおくる一方、小山田(志村けん)に認められなかったと落ち込む裕一を復活させるため、早稲田大学応援部にいる従兄弟を通じて応援歌の作曲をさせるなど、古山夫妻の強力なサポーターになった。久志らしいのは、そのサポートがちょっと回りくどいこと。第8週「紺碧の空」36話では、作曲できずに悩む裕一にさらに作曲をさせるというハードな要求をさせてよいものかと悩む音を、「あいつ、このままじゃダメになるよ!」と言葉で奮い立たせ、音の行動を促した。 しかしそれでも裕一は浮上せず、困った音は豊橋の実家に助けを求めて帰郷してしまう。久志は、音の不在に動揺した裕一に呼び出されると、シレっと「(音を)取り戻すためには応援歌を書くしかない」と言い渡す策士ぶりを発揮。夫婦両方の性格をよく知るからこその、見事なサポートだ。 しかし“プリンス”ともてはやされた学生時代から一変、第13週「スター発掘オーディション!」では、卒業から4年経ってもデビューできず苦境に立たされる久志が描かれる。オペラ歌手になりたいから嫌だと、裕一に勧められた流行歌のオーディションを断った久志。しかし、裕一と鉄男と一緒に“流し”で「船頭可愛や」を歌い、子どもから「元気になった。ありがとう」と感謝されたことで、オーディションを受けることを決意。いよいよ三羽ガラスが本格的に羽ばたくときを予感させた。 第12週「アナザーストーリー」58話「古本屋の恋」では、なんと幼少期の久志を演じた山口太幹が再登場。喫茶バンブーの店主・保と恵の恋のキューピットになっていたという、まさに神出鬼没の活躍ぶり。中盤明らかになった久志の生い立ちを踏まえて、改めて第1話からの再放送を見ると、また違った見方ができるに違いない。 前述の通り、久志のモデルは歌手の伊藤久男。父は県議会議員、兄は衆議院議員という大地主の名家。子どもの頃からピアノが好きで、ピアニストを志していたが、家族に反対され、実家を継ぐために一度東京農業大学に進学。その後、自主退学して帝国音楽大学に入学し、音のモデル・金子と交流を深め、早稲田大学応援団員の従兄弟がいる縁で「紺碧の空」の作曲を頼んだという逸話は、劇中でもそのまま再現されている。 親から仕送りを止められた上、デビューできないという不遇の時代を送るも、古関裕而と組んだ「露営の歌」(昭和12年)が大ヒット。なんと3人そろって映画にも出演する、昭和歌謡曲界を代表する人気者になったのだ。 鉄男と久志のエピソードを振り返ってみると、どちらも裕一がダメになりそうなときに引っ張ってくれる、心強い仲間であることがよくわかる。辛いときも寂しいときも、そして楽しいときも一緒に過ごせる友だちの励ましこそが、裕一への“エール”。そのエールを曲にして、裕一はより多くの人を励ましていくのだろう。 コロナ禍を乗り切り、再び本編がスタートするのが楽しみだ。 取材・文:中村美奈子

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