「帝国ホテルのサブスク」月額36万円は高コスパ?検証してみた
最近は「月額料金で使い放題」というサブスクリプション(サブスク)サービスが増えてきましたが、ここへきて帝国ホテルが2月1日から「月額36万円でホテルに住める」というサブスクを提供して大きな話題となっています(※1)。 「ホテルに住む」というプランについては、国内の一部ホテルで「ホテル・レジデンス」として同様のサービスが以前からありました。今回、これだけ大きな反響を呼んだのは、1980年代にはホテル業界における御三家と呼ばれた、あの帝国ホテルが打ち出したことが理由ではないでしょうか。 今回は他のホテルが打ち出しているサービスや、高級分譲賃貸マンションなどとも比較した上で、コスパの高さを考察します。
サービスはどこまでついてくるのか
帝国ホテルの公式サイトによると、「スタジオ」「コネクティングスタジオ」「プレミアスタジオ」と複数の部屋が用意されており、36万円から利用することができます。専属のサービスアテンダント、フィットネスやプール、サウナに加えて朝食の利用が無料となっています。なお、ルームサービスによる食事は月額6万円、ランドリーサービスは3万円の追加料金を支払えば利用することが可能です。 通常、帝国ホテルの朝食付きプランは5万円前後で1泊2日ですから、それが30日分と考えると「格安」と言えるのではないでしょうか。同様の「ホテルに住む」プランとして、リッツカールトンホテルから「ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京」が提供されています(※2)。 こちらは、2月3日時点では10部屋の募集がなされており、最安値が55万円からとなっています。その他、家具を自分で運び入れ、ホテルサービスを追加で受けられるレジデンスも存在しますが、いずれも50万円からが普通です。 他ホテルのサービスを比較しても、コスパが高いといえるのではないでしょうか。
どんな人が利用するのか?
1泊あたりで計算すると、たったの1万2,000円で帝国ホテルに宿泊できるコスパが高いサービス、どんな利用者が想定されるのでしょうか。 真っ先に思いつくのは、都内のタワーマンション賃貸で、月額30万円以上の支払いをしている人たちです。筆者がビジネスでお世話になっている経営者は、赤坂の高級分譲賃貸マンションに住んでいます。 このマンションを選んだ理由は、「東京都内の真ん中に住むことで、都内のあらゆるアクセスが容易」というロケーションが一番大きいといいます。最低家賃は50万円ほどですから、このようなマンションに住んでいる人にとっては「高級マンションクオリティの生活+ホテルのサービス」である帝国ホテルのサブスクは魅力的に映るものと感じます。 また、海外から招聘されている外資系企業勤務の役員クラスの外国人にとっても、興味を持つ内容と感じます。筆者は昔、外資系企業勤務でしたが、その時に秘書の人がこぼしていたのが「海外から招聘する外国人は、会社借り上げのホテルにうるさい」というのです。 役員クラスですから、4つ星ホテルを借りてマンスリー契約で住まわせると、「サービスに不満があるから、あっちのホテルの方がいい」と他のホテルに住みたいと注文をつけられてしまうことがあるというのです。 住む場所にうるさいことで社内でも有名な外国人役員は、六本木や広尾、麻布十番のホテルをあちこち借りることになり、手間やコストがとても掛かっていた記憶があります。帝国ホテルは海外からも優れたサービスを提供していることで有名ですから、こうした外資系企業の外国人役員の住まいにもニーズが高そうです。