【ジャパンC回顧】アーモンドアイ 次世代の名牝系確立に期待/栗山求コラム
◆先週の血統ピックアップ ・11/29 ジャパンC(GI・東京・芝2400m) 残り150mで先頭に立ったアーモンドアイが追いすがるコントレイルとデアリングタクトを抑えて1番人気に応えました。キセキが大逃げを打ち、位置取りと仕掛けどころの難しいレースとなりました。 ただ、たとえ隊列に多少の変化があったとしても、アーモンドアイとコントレイルの1・1/4馬身差は覆らなかったと思います。 芝中距離におけるアーモンドアイの強さは特別なものがあり、芝2000~2400mでは6戦して一度も負けませんでした。東京芝2400mでは3戦全勝です。 父ロードカナロアは自身がそうであったようにスピードタイプの種牡馬ですが、母フサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬でオークス2着。そのスタミナを受けて芝中距離を苦にしませんでした。トライマイベスト≒ロッタレース5×3という4分の3同血クロスは大胆で、キングカメハメハ系のセオリーであるヌレイエフのクロスも光ります。 これで現役生活に別れを告げ、来年から繁殖牝馬となります。初種付けの相手はエピファネイアが予定されているとのこと。エアグルーヴやシーザリオのような名牝系を築いてほしいものです。 ・11/30 京阪杯(GIII・阪神・芝1200m) 中団の外を追走したフィアーノロマーノが直線で力強く伸び、早め先頭に立ったカレンモエをゴール前でクビ差とらえました。昨年3月にダービー卿チャレンジトロフィーを勝って以来2つめの重賞制覇です。 8月生まれの豪州産馬なので6歳馬といっても実質5歳半。父ファストネットロックは大種牡馬デインヒルの仔で、父と同じ豪州産馬。イギリスやアイルランド出身の同産駒と違い、軽いスピードに恵まれているので、スピードがモノをいうわが国の馬場にも向いています。 日本で走った産駒は17頭いますが、フィアーノロマーノとメラグラーナ(オーシャンS)が重賞を勝ち、ブラヴィッシモは阪急杯で3着。産駒のコース別成績を見ると阪神芝で[7-5-2-13]、勝率25.9%、連対率44.4%、複勝率51.9%と抜群の適性です。阪神以外では中山芝で[5-0-4-13]。この2つの競馬場では積極的に狙いたいところです。 (文=栗山求)