北ミサイルで注目“低コストで連射”も?次世代兵器「レールガン」の実力は
年明けからミサイル発射を繰り返す北朝鮮。そうした脅威への対抗手段として注目される次世代兵器「レールガン」。1月12日放送のBS日テレ「深層NEWS」では小野寺五典元防衛相、笹川平和財団小原凡司上席研究員をゲストにその実力と課題に迫りました。
「レールガン」とは?
「レールガン」とは砲弾を発射する際に、火薬ではなく、電気エネルギーから発生する磁場を利用する、電磁砲と呼ばれる次世代兵器です。200キロの長距離射撃が可能とされ、理論上小型かつ低コストで連射ができます。そのため、多数のミサイルによる攻撃にも効率的に対処可能とされています。 防衛省の試作したレールガンは、戦車砲の秒速およそ1700メートルを上回る秒速およそ2300メートル、マッハ6程度以上の初速を達成。防衛省は、運用構想として極超音速誘導弾への対処を挙げていて来年度予算案に65億円を計上しています。 右松健太キャスター 「レールガンのメリットは?」 小原凡司 笹川平和財団上席研究員 「やはり非常に高速で、遠いところにある目標に到達することができるというものだと思います。ですからミサイル等に対しても、この弾頭が到達するまでの時間が非常に短いということですし、連射もできるということです。そしてアメリカは試験の中で射程370キロということも言っていますので、開発によってはまだまだ(性能が)上がるということなのだと。そうすると弾頭部に火薬を入れなくても、この速度だけで非常に大きな破壊力を持つということになるのだと思います」
右松キャスター 「強力な磁場を発生させる装置というのが別に必要になってくる?」 小原氏 「(アメリカが)これまで開発を10年以上やってきて、うまくいかなかったのかこの電源装置なのだと思います」 「これを例えば船に載せようとしたときに、それだけの電源装置を開発するのはなかなか難しいということだったのだろうと」 「今アメリカにはズムウォルト級という駆逐艦があって、これは統合電源システムと言われるシステムを積んでいます。非常に大きな電力を発生する装置と、それを必要とされるところに集中的に配電することができるシステムですけれど、この船でもこのレールガンを撃とうとすると、他の装置にほとんど電気を送ることができない、そのぐらい大きな電力を使うんですね。ところが日本にはこの電源システムに関する技術の優位性があるということだと聞いています」