強者が制すジャンプ週間
雪が豊富なプラニツァ(スロベニア)でフライング世界選手権が行われた。 そこではガイガーとアイゼンビヒラーがリードしたドイツチームの好調さが目を引き、団体戦に狙いを定めていた新鋭グランネルのノルウェーが優勝を遂げた。
そのプラニツァでは日本選手は団体戦で5位、佐藤幸椰(雪印メグミルク)が個人戦2試合連続で6位をキープしていた。 続くエンゲルベルグW杯予選で彼は一躍トップに立った。しかし試合では逆風にやられて、よもやの2本目に進めず。さらに2試合目には1本目に2位につけ、いよいよ表彰台中央へと夢が広がりであったが、あのエンゲルベルグ独特な追い風にしてやられた格好になり無念の9位。ただ、この経験をしっかりと糧にしていけるユキヤだ。ジャンプ週間の奮闘がとても楽しみになる。
「まだまだ、やれると思うんです。自分の手で出場枠を掴んでW杯に出る。そこから五輪へ目標を定めます」 名寄の国内開幕戦シリーズで手堅いジャンプを披露した葛西紀明(土屋ホーム)である。
欧州では12月と1月にコンチネンタル杯が開催される。ここでレジェンドカサイが各国の若手に交じって飛び、ポイントを獲得してW杯への昇格をめざすのだ。その心意気は素晴らしい。
さあ、いよいよジャンプ週間の開幕だ。 4試合ともに無観客試合となった今シーズン。ドイツとオーストリアそれぞれの台に雪は充分、万全な状況にある。オーベルスドルフ(ドイツ)は丘の上にある2連シャンツェ、そこへ向かって駅から観衆がテクテク歩いていく姿が雪山に映える。 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)にはかつて五輪を開催した伝統的なコロシアムがそびえ、もうひとつは駅裏にあるノスタルジックな屋内スケートリンクが有名。 インスブルック(オーストリア)は、五輪開催と2019世界選手権LHの会場となったすり鉢型のランディングバーンに特徴があり、ザハデザインによるスタートハウスが個性的だ。 最終戦のビショフスホーフェン(オーストリア)はナイトゲームになって一躍、荘厳さが増した。それもだらだらと続く緩いアプローチに日本選手は苦慮していたが、宮平秀治ヘッドコーチが得意としたシャンツェだっただけに攻略への的確な指示が期待できそう。