「こんな順位で出したことない」名伯楽が評価するソフトバンク大山凌の〝ピッチャーらしいピッチャー〟らしさ【記者コラム】
◆西武2―9ソフトバンク(15日、ベルーナドーム) 昨年のドラフト会議が終わってから、祝福ムード一色ではなかった。「おい6位」。東日本国際大の藤木豊監督は、ソフトバンクに指名されたばかりの大山凌をあおり続けた。 ■1試合3どすこい!上段、中断、最前部の3アーチ【動画】 藤木監督は八戸学院大時代に秋山翔吾(現広島)や塩見貴洋などを指導してきた名伯楽。いずれもドラフト上位で指名されてきただけに、「こんな順位で(プロへ)出したことない」と6位でプロの世界へ飛び込んだ右腕に手厳しい。ただ大卒で下位指名の選手。早期に結果を出せなければならない競争社会であることも事実だ。 ただ入学当初の大山に「おまえがエース」と告げるなど、藤木監督が高く評価する部分がある。「ピッチャーらしいピッチャー」。投手はマウンドに立って打者に勝負を仕掛ける存在。大山の持ち味は度胸と負けん気で、大学時代もチームメートとのなれ合いを禁じるなど〝孤高の存在〟として見込み育ててきた。15日のマウンドでも顔色一つ変えず奪三振を重ねる大山は、まさに投手らしい姿だった。 先発2戦では白星をつかめず、中継ぎへ配置転換されてつかんだ白星。ただ大山が目指すのは大エースだ。「(先発で初勝利したかったのは)もちろんありますけど、そんなに簡単な世界じゃないというのが分かった」。プロ1勝目で感じたうれしさと悔しさを胸に22歳の若き右腕は歩みを進める。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社