「夢が叶った」ロナウド歓喜! サウジに賛否両論… 2030年&34年W杯開催国が正式決定!
最も注目されている事象のひとつである人権問題の懸念も挙がっており、この中でアムネスティ・インターナショナルは「FIFAは立候補国に対して満たすべき明確な人権基準を設定しているはずだが、サウジが大きく外れていることは明らかだ。人権活動家の厳しい弾圧やLGBTQや移民労働者に対する不適切な対応についての説明はなされておらず、明白なリスクが無視されているのは驚くべきことである」と批判している。 また「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」も、「W杯の規模を考えれば、全ての立候補国において、人権に関わるリスクを慎重に検討する必要がある。同時に、この機会を逃さず、変革を推進すべきだ。FIFAの人権に関する方針は、世界で最も注目されるスポーツイベントの開催地を選ぶ際に、単なる形式的なものにされてはならない」と主張した。 同メディアはまた、国や企業が不正等の行為で傷ついた評判を回復するためにスポーツを利用することを指す「スポーツウォッシング」にも言及し、サウジが、2018年大会の開催国であるロシア、2022年のカタール同様、その疑いがあることを指摘するとともに、この中東の大国のスポーツにおける活性化の指揮を執っているムハンマド・ビン・サルマン王子が「スポーツウォッシングがGDPを1%増加させるなら、我々はそれを続けるだろう」と批判を意に介していないことを伝えている。 この件については、世界中の多くのメディアが批判的な論調を展開しており、英国の日刊紙『The Guardian』は「FIFA のプロセスの恥知らずさがチューリヒで完全に露呈した」と、この決定を酷評。「サッカーは政治的にも経済的にも都合が良いからこそ、死を招いている。大量処刑、拷問、強制失踪、男性後見人制度、同性愛者の投獄……様々な選択肢がある。スポーツは常に共犯として腐敗してきた。世界は常に残酷だ。FIFAは今、これを最も極端な形で、統治と善意という笑止千万な見せかけで包み込んでいる」と糾弾した。 対して、FIFAの総会では211人の理事全員がサウジでの開催を承認。ノルウェー・サッカー連盟は「入札プロセスが2016年にFIFAが導入したガバナンス改革の原則と目標に完全には一致していない」との懸念を提起したが、FA(イングランド・サッカー協会)は「サウジアラビア・サッカー連盟が、LGBTQのファンを含め、全てのファンに対して安全で歓迎される環境を提供されると保証した」と、承認の理由を明かしている(サッカー専門メディア『90min』より)。 またサウジ・プロリーグでプレーする欧州選手の中では、アル・イテハド所属のフランス代表MFエンゴロ・カンテは、自身のSNSで「サウジが2034年のW杯を開催することを祝福する。サウジがこの大会で、唯一無二で忘れられない大会を提供できることを確信している」と祝意を表した。 そしてイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、潤沢な資金をつぎ込んだ上でサウジが用意する15の戦いの舞台を「言葉を失う未来的なスタジアム」として紹介。これまでにない奇抜で、創造力に富んだ建造物の数々にについて「比類のない宝石」とポジティブに形容している。 構成●THE DIGEST編集部
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