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「建機」の部材調達、進む脱中国

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日刊工業新聞電子版

 建設機械業界で部材調達の脱・中国依存が進んでいる。酒井重工業は米国工場(ジョージア州)で製造するロードローラー用の鋳物ウエート(重り)を、中国製からインドネシア製に完全に置き換えた。住友建機も千葉工場(千葉市稲毛区)で生産する建機の鋳鍛造品を中国製からベトナム製にシフトし、一部はインドからも輸入を始めた。米中対立に加え、新型コロナウイルスの教訓から感染症対策の見地でも部材を1国に依存するリスクが高まり、各社は対応を加速している。 建機4社の21年3月期通期見通し  酒井重工は3年前から、鋳物ウエートのインドネシア製への置き換えを始めた。エンジンや油圧機器などの心臓部分は日本や米国、組み立て部品の多くも米国に進出している建機メーカーやメキシコなどから調達しており、残された課題が鋳物ウエートだった。  鋳物ウエートは重量がかさばるうえ、製造にそれなりの技術が必要となる。日本でも米国でも対応できるメーカーが「廃業でほとんど残っていない」(酒井一郎社長)状況だった。  酒井重工は1995年にインドネシア工場(西ジャワ州)を稼働。そのつてで調達ルートを探り、技術指導も含め、数量だけでなく品質面でも中国製から代替できるめどがついた。「20年度からは中国依存度はゼロになっている」(同)。ただ、中国で作るロードローラーの鋳物は同国内で調達している。  住友建機は鋳鍛造品をベトナムから調達し始めた。比率はまだ1割未満だが、20年度末にも2割程度に高める考えだ。  中国は政治リスクに加え、自然災害や環境規制のリスクもある。「調達先の工場が稼働できなくなり、鋳鍛造品の供給がストップしたら、主力機種の生産にも影響が出る。そうした事態は避けたい」と数見保暢社長は話す。  中国は10年9月に尖閣諸島沖で起きた漁船衝突事件の後、レアアース(希土類)の対日輸出を制限する経済措置を科した。調達の脱・中国依存は、そうした日中の政治的対立が経済活動に影響するリスクを念頭に置いていることも背景にあるようだ。

日刊工業新聞・嶋田歩

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