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「夏の甲子園中止」なのに地方はOKの大きな矛盾

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東洋経済オンライン

 夏の高校野球が、新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれた。甲子園という夢の舞台を目指せない球児のために、各都道府県では代替大会の開催が模索されている。朝日新聞社と全国高等学校野球連盟は地方に1億9000万円の財政支援を決めただけでなく、代替大会を後援するという。お金を出すから地方の責任でやってくれということか。地方でできる大会が、なぜ甲子園でできないのか。リスクを取らない大人の事情が透けて見える。 甲子園投手たちはどれだけ「過剰」な投球をしているか

 大会の中止決定が腑に落ちない理由は2点ある。  まず1点目。5月20日に開かれた記者会見で、大会会長を務める朝日新聞社の渡辺雅隆社長は冒頭、「感染リスクを完全な形で抑えることは極めて難しい」と中止理由を読み上げた。もし、ウイルスが消えてなくならない限り開催できないのであれば、来夏のオリンピック・パラリンピックの開催も難しいことになる。 ■野球にとどまらず、あらゆる競技大会に影響  それだけではない。来春の選抜高等学校野球大会も、さらには来年の夏の選手権大会も、ウイルスが消えない限り開催できないことになる。野球にとどまらず、これから予定されているあらゆる競技大会に影響を与えかねない。緊急事態宣言が解除された状況下では、今年も来年も条件は同じだ。

 5月25日、緊急事態宣言で残っていた首都圏と北海道が解除された。いよいよ私たちは、コロナウイルスとの共存の道を歩み始めることになる。ワクチンや特効薬が開発されるのは、だいぶ先のことになるだろう。これから1年か2年、私たちは新しい生活スタイルや働き方を模索しながら、第2波、第3派のコロナウイルスに備えなければならないわけだ。  緊急事態宣言の解除とともに、飲食店の営業時間が徐々に延ばされ、業態ごとに解除の時期をずらしながらの試行錯誤が始まった。選手権大会も感染防止対策を施しながら、開催への道筋を模索できなかったのだろうか。

 観客を半分に絞って席を空ける工夫や、大声での歌や応援合戦を控える。選手の移動も消毒を施したバスでマスク着用。宿舎も大部屋でなくホテルでの個室にする。ミーティングも選手の間隔を空け、試合では攻撃前の円陣の掛け声も、ハグも禁止。ウイルスを持ち帰らないように、地元に帰ったら1週間は自宅で過ごす。当然、こういった対策は考えていたはずだが、それでも「私ども悲観的に決定を考えており、楽観的な方向で踏み切ることができなかった」と説明する。

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