<ウマ女十番勝負>ドウデュース破るのは「またピンク」のアノ馬? ジャパンカップ
大将の連勝か、世代交代か、逆輸入の勝利か――。 毎日新聞デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が、秋のGⅠ主要レース6戦を予想。第5弾は、国際招待レース、ジャパンカップ(C)=東京2400メートル、24日午後3時40分発走=です。 【写真で見る】藤田菜七子騎手のあゆみ 天皇賞・秋(東京2000メートル)を勝利し、「秋の古馬3冠達成」をもくろむドウデュースと、今年のオークス(東京2400メートル)、秋華賞(京都2000メートル)を勝ったチェルヴィニアが激突。さらにアイルランドから、ディープインパクト産駒の最終世代、オーギュストロダンが“逆輸入V”を狙います。 競馬担当30年の師匠、松沢一憲記者は「日本の総大将」を信頼。真希バオーは、また8枠を引いてしまったあの馬の力を信じます。 ◇発動?「ドウデュースの法則」 エリザベス女王杯(京都2200メートル)を外した翌日、競馬好きの担当デスクOさんに「3連敗じゃないですか。そろそろ当てないと、連載中止にしますよ」と笑顔で言われた。目は笑っていなかったように見えたのは、気のせいだろうか。 翌週、「マイルチャンピオンシップ(京都1600メートル)は的中しました」と報告すると、「連載のない週に当ててどうするの。ジャパンCと有馬記念(中山2500メートル)はお願いしますよ」と念を押された。大ピンチだ。 天皇賞・秋は馬連9660円、エリザベス女王杯は1万6020円と、波乱が続出。「“エリ女”は荒れるレースだからともかく、“秋天”でこんな高配当が出るなんて。今年はジャパンCも荒れちゃうかもしれませんね」と欲丸出しの真希バオーに、師匠は冷たく言い放った。「穴党には出番はありません」 「過去10年、馬連の配当は、半数の5回が3ケタの堅い決着だ。3頭の3冠馬対決となった2020年に馬連330円なんてこともあったよな。3連単も、20、21、23年は1000円台。今年は、軸も堅い。負けを取り戻そうとむちゃすると、痛い目にあうぜ」と師匠は言う。 「軸は堅い」といっても、気になることがある。ドウデュースは、2歳時は3連勝で朝日杯フューチュリティステークス(阪神1600メートル)を制したが、それ以降は「2度負けて、3戦目で勝つ」というパターンを繰り返しているのだ。「前走は見事な走りでしたが、連勝できるでしょうか」と真希バオーが不安視する。 「穴党は、“ドウデュースの法則”に乗って大勝負に出るのもアリじゃないか。ただ、この馬の力は本物だよ」と師匠は高く評価する。 「それに、東京の芝2400メートルは、スタートして最初のコーナーまで約350メートルと短いから、内枠が有利ということも知っておくといいよ。ドウデュースは、3番枠。さすが、持ってるな」と師匠は笑う。 ◇松沢記者の本命は…… ◎ドウデュース(3)、〇チェルヴィニア(9)、▲オーギュストロダン(8)、△ブローザホーン(2)、△ソールオリエンス(12)、△ジャスティンパレス(4) 師匠は、「日本の総大将」ドウデュースの力を信頼する。「今年前半で5、6着と敗れたが、前走の天皇賞・秋はスローペースの後方2番手から脅威の上がり32秒5で突き抜けた。GⅠ3勝馬の底力をアピールしたな。元々がたたき良化型だから、一度使われて状態アップは確実だろう。国内外の強豪の前で、昨年のリベンジを果たして格の違いを見せつけるぞ」 ◇真希バオーの大胆予想 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円) (3)ドウデュース (4)ジャスティンパレス (9)チェルヴィニア (12)ソールオリエンス (14)スターズオンアース ああ、どうしてこの馬はいつも外枠を引いてしまうのか。 スターズオンアースは14番を引いて、また大外枠。昨年のジャパンCは17番、有馬記念は16番。これで国内GⅠ3戦連続の8枠となった。 それでも、ジャパンC3着、有馬記念2着と結果を残してきた。そういえば、22年のオークスを勝った時も8枠だった。枠に左右されず、器用に立ち回ることができるのが、この馬の武器だ。 有馬記念では、抜群のスタートでスッと好位につけた。直線、逃げ粘るタイトルホルダーを追いかけながら、ドウデュースと競り合いに。半馬身差で敗れたが、超一線級の力を存分に発揮した。 前走ドバイシーマクラシック(メイダン2410メートル)では、右にもたれる癖が出て、8着。その後はしっかり立て直して、ターフに戻ってきた。 国内では一度も馬券圏内を外したことがないが、惜敗続きで勝利にあと一歩届かない。再び「ピンク帽の壁」を壊し、オークス以来の勝利をつかんでほしい。 ◇真希バオーの勝負レース 秋華賞→的中 馬連2200円 菊花賞 天皇賞・秋 エリザベス女王杯 ジャパンカップ 有馬記念 ◇なかじま・まき 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。