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落合陽一が『美術手帖』6月号に登場。作品から読み解くこれからの「自然」と「環境」

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美術手帖

現代では、里山から木を切ってくるよりも早くAmazonから商品が届きますが、そういったメディウムが届く環境を含めて自然ととらえ直してみるのは重要です。「自然」環境のなかから何かを持ってきて作品をつくるというヴァナキュラー的、民藝的、地産地消的なプロセスは、日本画にしても洋画にしても昔から変わっていません。  科学者、教育者としても活躍するメディア・アーティストの落合陽一は、「デジタルネイチャー」という概念を提唱する。デジタルデータと自然物がシームレスにつながるこの自然観について、『美術手帖』6月号「新しいエコロジー」特集で語った。 実際には存在しないデータとしての「質量のない自然」は、データ以外の実際に存在する「質量のある自然」にも影響を及ぼします。(…)その対比構造で考えると、「環境のためにガソリン車から次世代車へ」というような一般的な環境問題への取り組みの前提とされるスタンスも変わってきます。  インタビューでは、日本科学未来館で落合が総合監修を務めた常設展示「計算機と自然、計算機の自然」と、Media Ambition Tokyo 2020で展示した《計算機自然のしつらえ:質量に保存する,制約を与える,有限の存在にする.》(2019)を中心に、落合の近年の作品や展示について解説。作品の基盤となる「デジタルネイチャー」の考え方や、民藝と霊性への関心、データと対極にあるような質量をともなった「メディウム」への思いが明かされる。 《デジタルにオーラは宿るか?》という展示では、楽焼の茶碗を3Dスキャンして出力したもので、もとの茶碗と重さも形も完全に一致しています。(…)実物とコピーを比較したときに、人間がどこにモノのアウラを感じるか、何に味わい深さを感じるかという問いかけを試みています。  メディア・アートの視点から、モノや質量への憧憬や、デジタルデータが世界を覆う時代の新しい自然観について語られた貴重なインタビューとなっている。