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スガノミクスはやくも黄信号…生命線「3K」の雇用と為替に暗雲

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日刊ゲンダイDIGITAL

 スガノミクスの命は為替、株価、雇用の「3K」だ。9月の自民党総裁選で、菅首相は「厳しい経済状況の中、為替は105円前後、株価2万3000円前後。雇用も増やせた」とアピール。その後も繰り返し3Kを誇ってきた。ところが、ここに来て、雇用と為替の雲行きが怪しくなってきた。  ◇  ◇  ◇  厚労省が2日発表した8月の有効求人倍率は、昨年12月の1.57から8カ月連続悪化し、1.04だった。求職者1人に対して1つの求人がある状態の「1倍」を割る寸前だ。  同日発表の総務省の労働力調査によると、8月の完全失業者は前月比9万人も増えた。自己都合が1万人減り、勤め先や事業など非自発的な離職が3万人も増えている。働きたくても働かせてくれないのである。 「失業などで求職者が増える一方、企業の求人は追いつかないので、有効求人倍率はさらに低下するでしょう。中小企業はこれまでの蓄えや政府の支援などで何とか踏ん張ってきました。しかし、夏以降、諦める経営者が増えていて、倒産や廃業が増加傾向です。継続できる企業も人員に余剰感があり、採用には慎重です」(経済評論家・斎藤満氏)

頼みは官製株価だけ

 9月の日銀短観では、雇用人員について過剰から不足を引いた指標の現状は「マイナス6」と7年ぶりの低水準。雇用の先行き見通しも6月調査より悪化している。雇用調整助成金の増額が打ち切られる年末、倒産、廃業、失業が一気に膨れ上がるとの見方もある。  為替もヤバくなってきた。日銀短観によると、企業の今下期の想定為替は1ドル=107.30円。輸出企業にとって、現在の105円台でも厳しいのに、円高要因がワンサカあるのだ。 「前回のFRB(連邦準備制度理事会)で米国は金融緩和長期化を決め、今後、追加緩和もあるかもしれない。欧州の新型コロナウイルス感染再拡大でユーロも軟調な傾向です。さらに、トランプ大統領がコロナに感染した。これらはすべて円買い(円高)につながります。円高進行に対して、菅首相が露骨な介入に動くと、年内にも始まる日米貿易交渉の第2弾で、米国側から、円安誘導を禁じる“為替条項”を要求されかねない。携帯値下げや地銀再編など内政では“強権発動”ができても、為替の問題で菅首相は大ナタをふるえないのです」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)  3Kのうち、頼みは株価だけ。  日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に爆買いさせて、かさ上げできるからだ。1ドルが100円に迫り、有効求人倍率が1を切ったら、スガノミクスは崩壊同然だ。

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