気をつけて!マダニから感染「日本紅斑熱」増加 千葉県内は昨年最多17人 命に関わる場合も
野山や畑に入り病原体を保有したマダニにかまれると感染する「日本紅斑熱」患者が増えている。千葉県内の感染者は2012年から増加傾向にあり、昨年は17人で感染症法に基づく調査を始めた1999年以降、最多だった。今年の感染報告は1人だが、軽装になる6月ごろから増えるため、県衛生研究所は注意を呼びかけている。 同研究所によると、主な症状は頭痛、発熱、倦怠感で、体幹部から四肢末端部にかけての発疹や刺し口があるのが特徴。かまれてから発症するまでの潜伏期間は2~8日で、早期に治療をしないと命に関わる場合もある。 2012~21年の10年間の感染者は85人で、うち83人が6~11月に感染が判明した。年代別では60代以上が9割以上を占めた。20年8月には君津市の無職女性=当時(85)=が、右足首をマダニに刺されて感染し亡くなった。感染者が増加している理由は不明という。
マダニは成虫で体長3~6ミリほど。山林や裏庭、あぜ道などの草の上に生息し、県内では南部の山間地域で多く発見される。農作業やレジャーで山林、草むらに入る時は軽装を避け、防虫スプレーやレジャーシートを使い、帰宅後は着替えて入浴することが重要という。 同研究所の担当者は「県内だけでなく全国的に増えている。ワクチンはなく、マダニに刺されない対策が必要。刺された場合は無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚に残ってしまうことがあるため、医療機関を受診して」と促した。