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あまりにも激しく短い人生を駆け抜けた、伝説の犯罪カップル“ボニー&クライド”映画は名作揃い!

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MOVIE WALKER PRESS

1930年代前半、世界中に大恐慌の嵐が吹き荒れるアメリカで、あまりにも激しく短い人生を駆け抜けたひと組の男女がいた。1910年生まれのボニー・パーカーと1909年生まれのクライド・バロウ。共にテキサス州出身で、1930年に偶然巡り会った2人はたちまち恋に落ちる。しかし彼らは、他の普通のカップルとはまったく違っていた。結婚して子どもを作り、幸せな家庭を築くことには目もくれず、数えきれないほどの強盗と殺人を犯したふたりは、アメリカ犯罪史上にその悪名を刻む凶悪カップルとなったのだ。 【写真を見る】ケヴィン・コスナーが凶悪犯罪カップルを執念深く追うレンジャーに!(『ザ・テキサス・レンジャーズ』) ■アメリカン・ニューシネマを代表する傑作『俺たちに明日はない』(67) そんなボニーとクライドの壮絶な生き様はこれまでに何度も映画化されており、最も有名なのが『俺たちに明日はない』だ。ケチな犯罪を重ねていたクライド(ウォーレン・ベイティ)と奔放なウェイトレスのボニー(フェイ・ダナウェイ)が出会い、次々と銀行を襲撃して義賊の英雄ロビン・フッドのように庶民の喝采を浴びていく姿を、軽快なタッチで描出。反体制的な青春映画の色合いが濃い本作は、初公開当時のアメリカで多くの観客の共感を集め、配給会社が予想もしていなかった大ヒットを飛ばした。衝撃的なエンディングも語り草となり、いまおアメリカン・ニューシネマの先駆け的な名作として広く愛されている。 ■ケヴィン・コスナー&ウディ・ハレルソンが2人をジリジリ追い詰める『ザ・テキサス・レンジャーズ』(19) Netflixオリジナル作品『ザ・テキサス・レンジャーズ』は、ボニーとクライドの追跡に執念を燃やした実在のテキサス・レンジャーの物語だ。すでにレンジャーの職を引退して穏やかな生活を送っていた主人公フランク・ヘイマー(ケヴィン・コスナー)が、固い絆で結ばれた元相棒メイニー(ウディ・ハレルソン)とともに現場へ復帰。長年つちかった経験と直感に基づく独自の捜査によって、警察やFBIをあざ笑うボニーとクライドを追いつめていく様を描く。ケヴィン・コスナー、ウディ・ハレルソンの味わい深い演技が最大の見どころだが、残虐な犯行を繰り返すボニーとクライドの姿をあえて直接見せない手法も『俺たちに明日はない』との違いを際立たせ、新鮮なインパクトを放つ。 ■偏見や悲恋に胸が痛む…彼らがモチーフのフィルムノワールたち また、1930年代後半~1950年代半ばのハリウッドで作られたフィルムノワールと呼ばれるジャンルにおいても、ボニーとクライドの犯罪は何度もモチーフになった。なかでも必見の傑作ノワール2作品に触れていこう。 まず『暗黒街の弾痕』(37)は、強盗の罪を償って出所し、最愛の女性と共にまっとうな人生を生きようと誓ったエディ(ヘンリー・フォンダ)が主人公。しかし前科者であるエディに対する世間の目は冷たく、ついには犯罪の濡れ衣を着せられて死刑を宣告されてしまう。ドイツからハリウッドに亡命してきた巨匠フリッツ・ラングのシャープな語り口、社会の偏見を痛烈に批判する問題提起にぐいぐい引き込まれる一作だ。 ジェームス・ディーンの代表作『理由なき反抗』(55)で名高いニコラス・レイ監督のデビュー作『夜の人々』(49)は、刑務所を脱獄したチンピラのボウイ(ファーリー・グレンジャー)と、彼が隠れ家で出会った可憐な女性キーチ(キャシー・オドネル)が織りなす逃亡劇。絶望的な極限状況の中でささやかな幸せを探し求めながらも、悲痛な運命から逃れることができないふたりの末路は涙なくして観られない。元ネタとなったボニーとクライドの実話を、至高の純愛映画へと結実させたレイ監督の手腕に驚かされる。 以上の4作品にとどまらず、『地獄の逃避行』(73)、『トゥルー・ロマンス』(93)、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)など、破滅的なカップルの逃避行を題材にしたあらゆる映画は、大なり小なりボニーとクライドの影響を受けていると言っても過言ではない。映画史上長らく語り継がれる犯罪カップルの伝説を、ぜひとも様々な視点で鑑賞してほしい。 文/高橋諭治

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