【高校野球】ドラフトを待つ東海大相模・藤田琉生 198センチ左腕が描く未来像は明確
希少価値が高い大型サウスポー
好きなプロ野球選手はいない。 ライバルもいない。 異次元の角度。東海大相模高の198センチ左腕・藤田琉生(3年)の生き様が見えてくる。 【選手データ】藤田琉生 プロフィール・寸評 「長身左腕はプロに入っても、なかなか活躍できないという話を聞きます。そういった周囲からの声を、自分が覆したいんです。『左投手と言ったら藤田』という、一番の存在になりたいと思います」 過去の実績から「周囲の声」を、どう分析しているのか。 「手足が長く、正直、扱うのは難しいです。あまりケースがないですから、経験値からも教える側も大変で、言葉で伝えるのも難しいと思います。指導者のアドバイスに耳を傾けながらも、自分自身がしっかりしていかないといけない。ライバルは常に『自分』です。常日頃からの生活、練習次第ですべてが変わる。自分の気持ちに、打ち勝つ。そうすれば、能力が上がっていくと信じています」 NPBでも希少価値が高い大型サウスポー。自らの手で、成功体験を築き上げていくのだ。 ずっと尊敬してきた投手はいる。湘南クラブボーイズ、東海大相模高を通じての先輩である中日の左腕・小笠原慎之介である。 「中学3年の12月に1回、キャッチボールをさせていただいたことがあるんです。2、3倍もレベルが違う(苦笑)。小学校3年時に小笠原さんが甲子園で全国制覇を遂げ(2015年)、ドラフト1位で指名される姿を見てきました。『相模のエースになって日本一を遂げ、プロ野球に行く』と決めました」 父が185センチ、母が182センチの元バレーボール選手。4学年上の兄・瑞生さんは192センチ左腕として、松蔭大でプレーしている。 「その遺伝があったので、今がある」 中学時代に在籍した湘南クラブボーイズでは全国優勝を経験。「スーパー中学生」として騒がれたが、東海大相模高ではなかなか思うようにいかなかった。入学から身長が5センチ伸び、3年になって止まったという。 21年9月から母校を指揮する原俊介監督は「彼と接する中で難しさを感じた」と明かす。 「(身長が)伸びている時期はバランスを保つのが難しく、出力も発揮しにくい。手足の末端までつかみづらい」。成長期は故障と隣り合わせで、指導と起用には慎重を期した。