PK戦制した桐光学園、同点劇の裏に鈴木監督の“小芝居”が…OB中村俊輔が見守る中、16強進出【全国高校サッカー】
◇第100回全国高校サッカー選手権大会 2回戦 桐光学園1(PK7―6)1帝京大可児(等々力) 雪が舞う激戦のカギは、桐光学園(神奈川)が描いた「勝利のシナリオ」だった。0―1の後半31分、敵陣右サイドで得たスローイン。ベンチ前の鈴木勝大監督が主将MF山市秀翔(3年)に給水用ボトルを手渡すふりをして、秘密裏に「ゴーをかけた」。ロングスローを警戒する帝京大可児(岐阜)を出し抜き、山市がショートスローを受け取ると、「手薄だと分析していた」(同監督)逆サイドに絶好クロスを送った。DF馬場拓己(3年)が競り勝ち、こぼれ球をDF川角歓紀(3年)が頭で押し込んで追いついた。 「PK戦はGK吉田(優翔、3年)がいるので負ける気はしなかった」と山市。OBの元日本代表・中村俊輔(横浜FC)が会場で見守る中、守護神が期待通りに7本目を見事に止めて、2015年度大会以来の16強入り。山市は「目標は選手権制覇。慢心することなく次につなげていく」と表情を緩めることはなかった。
中日スポーツ