パラ採火、「オール三重」で盛り上げ…伊賀焼登り窯、きほく燈籠祭花火
8月の東京パラリンピック聖火リレー(聖火フェスティバル)に向け、大会組織委員会が31日に発表した三重県内の市町の採火方法では、全29市町で様々な願いを込めて採られた火を集めて、「オール三重」でパラリンピックの盛り上げを目指すことになった。 温泉街や富岡製糸場など巡る[群馬2日目・ハイライト]
採火は全29市町で8月12~15日に実施される。火はランタンなどで津市へ運び、15日に県総合文化センターで一つの火にし、出立式を経て東京に送り出す予定だ。ただ、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、計画を変更することもあり得るとしている。
各市町も工夫を凝らす。志摩市は、国の重要無形民俗文化財に指定されている海女漁の技術に着目。海女が暖を取り、体を休める「海女小屋」の火場から採火する。
紀北町は、例年7月に開催される「きほく燈籠(とうろう)祭」の花火の種火からの採火を検討。大台町でも、毎年8月に行う「千客万来夏まつり」に合わせて採火する計画だ。 四日市市は、伝統工芸品・四日市萬古焼の歴史などを紹介する「ばんこの里会館」の陶磁器を焼く窯から採火する方法を検討している。萬古焼は耐熱性に優れ、国の伝統的工芸品にも指定されている。また、伊賀市は、伊賀焼窯元の登り窯から火をとる予定だ。
伊勢市では、伊勢神宮の祭典で使用されている「火きり具」から採火する。尾鷲市や木曽岬、朝日町などでは、障害を持つ人が採火に参加を検討している。
一方、現段階でも8市町は具体的な内容を「調整中」としている。これら自治体は昨年2月の段階でも「調整中」となっていた。ある自治体の担当者は「いくつか案は挙がっているが、まだ絞り切れていない。新型コロナの感染状況が読めず、どこまで密を避け、どんなことができるのか悩んでいる。5月頃までには何とか決めたい」と話した。