ECB、債券市場の防衛策第一弾を7月1日に発動へ-ラガルド総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏で起こり得る債券市場危機に対する第一段階の防衛線として、7月1日に債券購入スキームを発動する。ラガルドECB総裁が28日明らかにした。
異例のインフレ加速に歯止めを掛けるため、ECBは過去最低水準の政策金利を引き上げる方針だが、これに伴い国債に正当化できない混乱が生じないよう、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で購入した資産の再投資に「柔軟性」を持たせる。
ECB、断片化対策で広範な戦略を協議-PEPP再投資が第一段階
これとは別に資産購入プログラムに基づく純資産購入が来月1日に終了する見通しで、域内の一部高債務国が投機対象となる恐れがある。
ラガルド氏はポルトガルのシントラで行われているECB年次フォーラムで講演し、「7月1日付で償還を迎えるPEPP資産の再投資に柔軟性を適用することを決めた」と述べた。「政策スタンスが域内全体に秩序ある形で伝達することを確実にする」として、「われわれの物価安定という責務に脅威となる恐れがある全ての困難に対処していく」と言明した。
原題:ECB to Activate First Line of Defense in Bond Market July 1 (1)
(抜粋)
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Jana Randow, Alexander Weber