外交失態に加えおにぎりの食べ方まで…石破外交〝漂流リスク〟中韓との関係で頻繁に会談「〝岸田路線継承〟のリスクを理解すべき」
■現実味薄い「アジア版NATO」 石破茂首相は28日、岸田文雄前首相と会談した。「政権居座り」や「外交失態」に加え、おにぎりの食べ方でも批判を浴びる石破首相は、中国や韓国との関係などについて意見交換したという。折しも同日、自民党では石破首相肝入りの「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」「日米地位協定改定」を検討する特命委員会が始動した。ただ、現実味が薄く、米国の警戒を呼びそうな構想には疑問が投げかけられている。 【写真】石破首相、座ったまま握手…首脳会議での映像が物議 石破首相は28日午前、議員会館の岸田氏の事務所を訪れ、約40分間会談した。2人は26日にも首相官邸で面会したばかり。岸田氏は自民党総裁選の決選投票で、第1回投票でトップだった高市早苗前経済安保相を避け、石破首相を推した張本人である。 あるベテラン議員は「総裁選は『選挙に勝てる顔』『次期米大統領と連携できるリーダー』を選ぶ場だったが、岸田氏が推した石破首相は直後の衆院選で、自公で過半数割れという大惨敗を喫した。石破首相は、ドナルド・トランプ次期大統領との早期会談もできなかった。岸田氏には『製造責任』がある」と批判する。 ところが、岸田氏は「欧州はほとんど少数与党だ。政府与党が知恵を出し結果を出す政治を実現しなければならない」などと、人ごとのように語っている。 石破首相は28日の会談で、今月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議の内容を岸田氏に伝え、中国の習近平国家主席、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との個別会談などを踏まえた外交戦略などで意見を交わしたという。 ■来年1月訪韓控え 同日には、石破首相が来年1月にも訪韓し、尹氏と会談する方向で調整していることが判明した。岸田氏は、尹氏と首脳間で頻繁に往来する「シャトル外交」を復活させた経緯があり、「自身の成果として『継承』させたい思惑もあるのでは」(保守系議員)との憶測も飛んでいる。 こうしたなか、自民党は「アジアにおける安全保障のあり方特命委員会」を新設し、28日に初会合を開いた。石破首相の持論「アジア版NATO」構想や、「日米地位協定改定」などを念頭に党内議論を進めるとみられる。 混迷する「石破外交」の展望をどう見るのか。