前回大会8強の仙台育英が初戦突破!勝利の立役者はハット達成の2年生の島野怜
前回大会のベスト8である仙台育英(宮城)が初戦となる2回戦を突破し、次のラウンドにコマを進めた。 【フォトギャラリー】仙台育英 vs 宮崎日大 勝利の立役者はハットトリックを達成した2年生の島野怜だ。「公式戦では初めてのこと」と、喜びをかみしめた。 1点目は32分。右クロスがいったん左サイドに流れ、攻撃をやり直したFW佐藤遼(2年)からの折り返しを右足ワンタッチで決めた。2点目は58分、右CKのチャンスだ。味方のシュートがディフレクションし、ちょうど島野のところにこぼれてくる。これを胸トラップ&ターンしながらのボレーで仕上げた。 そして、3点目は63分。右からのFKをファーサイドで味方がヘディングシュートし、クロスバーに当たってはね返る。そのボールにいち早く反応したのが島野だった。 「選手権前はなかなか点が取れなかったけれど、ここから結果を出し続けられたらと思う。個人的には1試合1得点が目標。前回大会も経験しているひとりとして(チームがいい方向にいくように)周りに声をかけながらやっている」 昨年11月、U-16日本代表候補のトレーニングキャンプに参加し、大いに刺激を受けた。184センチの大型ボランチは鹿島ジュニアユース出身だが、「ユースに昇格できなかった。その悔しさが今に生きている」と、新たな環境のなかで切磋琢磨する。 4年連続35回目となる常連の仙台育英に対峙したのは初陣の宮崎日大(宮崎)だ。日章学園や鵬翔といった県内の強豪校を次々に破っての代表権獲得だった。ハーフタイムにロッカールームに戻らず、ベンチ前でミーティングを行う姿が見られたが、その理由を就任11年目の南光太監督は次のように語っている。 「“日常”を変えたくなかった。選手たちはスタジアムでの試合に慣れていないので、いつもどおりにベンチ前で話をするという選択をした」 前回以上の成績を目指す仙台育英の次なる相手は市立船橋(千葉)だ。「小手先のやり方が通用するような相手ではない。ここまで自分たちが積み上げてきたものを全部出しきる。胸を借りるつもりでぶつかりたい」と、城福敬監督は淡々とした口調のなかに闘志をみなぎらせた。 (文・写真=小室功)