阪神 新助っ人W獲得濃厚 大型右腕デュプランティア&マイナー132発の大砲ガルシア 年内合意へ最終段階
阪神が来季の新外国人として、前ブルワーズの最速157キロ右腕、ジョン・デュプランティア投手(30)と、前ナショナルズ2Aでマイナー通算132本塁打のデルミス・ガルシア内野手(26)の獲得が濃厚となっていることが17日、分かった。関係者によると交渉は大詰めとみられ、年内の合意を目指している。 来季の覇権奪回を目指す藤川阪神に投打の新戦力が加わることになりそうだ。デュプランティアとガルシアとの交渉について、関係者は「最終段階」であることを認めた。今後はメディカルチェックなどを経て、年内の合意を目指していく。 デュプランティアは身長193センチの長身右腕。最速97・8マイル(約157・3キロ)、平均95マイル(約153キロ)の直球を軸に130キロ台のチェンジアップ、スライダー、ナックルカーブ、カットボールを操る。16年ドラフト3巡目(全体89位)でダイヤモンドバックスに入団。19年にメジャーデビューし、先発とリリーフを兼任したが定着には至らず、21年6月13日の登板を最後にメジャーの舞台から遠ざかっている。メジャー通算19試合(先発7試合)で1勝4敗、防御率6・70の数字を残した。 今季はメッツ傘下3Aで開幕を迎え、元阪神の藤浪とともに救援陣の役割を担った。8月に戦力外となり、ドジャースへ移籍した。マイナーでは23試合(先発7試合)で6勝3敗、防御率4・20。55回2/3を投げて43四死球と制球力に課題を残すが、68三振を奪い、奪三振率10・99を記録するなど能力が高い投手だ。 ガルシアはドミニカ共和国出身で、マイナー通算132本塁打を記録した右の長距離砲だ。14年にヤンキース入り。21年は同2Aで31本塁打を放つと、22年はアスレチックス傘下3Aで68試合の出場で13本塁打を記録し、メジャー初昇格も果たした。 当時エンゼルスに在籍していた大谷から安打を放つなど、39試合で打率・207、5本塁打、20打点。一、三塁だけでなく外野を守ることも可能で、藤川監督が求める補強ポイントにも合致する。まだ26歳と伸び盛り。左翼の主戦として台頭した前川らと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、さらなる成長も期待できる。 阪神は藤川監督1年目となる来季は、外国人5人体制で迎えることを明言している。残留が確定したゲラ、ビーズリーに加え、前フィリーズの最速158キロ右腕、ネルソンの獲得にも乗り出している。デュプランティアとガルシアの獲得に成功すれば、来季陣容の大枠が整うことになる。 ◆デルミス・ガルシア(Dermis Garcia)1998年1月7日生まれ、26歳。ドミニカ共和国出身。186センチ、91キロ。右投げ右打ち。内野手。2014年にヤンキースと契約。22年、アスレチックス移籍までの7年間でマイナー通算101本塁打。同年MLB初昇格を果たすと39試合に出場し116打数24安打、5本塁打、打率.207をマーク。今季はナショナルズ傘下のマイナーリーグでプレー。 ◆ジョン・デュプランティア(Jon Duplantier)1994年7月11日生まれ、30歳。米国出身。193センチ、104キロ。右投げ左打ち、投手。ライス大から16年、ドラフト3巡目でダイヤモンドバックスに入団。19、21年にメジャー昇格を果たし、19試合で1勝4敗、防御率6.70の成績を残す。同年オフFA。ドジャース、フィリーズなどを経て今季はブルワーズに。 ◇阪神は来季、外国人を5人体制とする方針を明言している。10月には戦力構想から外れたシェルドン・ノイジー外野手(30)とヨハン・ミエセス外野手(29)が自由契約となり退団。一方で3日にはハビー・ゲラ投手(29)とジェレミー・ビーズリー投手(29)の残留を発表している。 球団は残る3枠で投手2人、野手1人の獲得を目指している。投手については右腕を中心に先発、中継ぎを1人ずつ。野手は「左翼、一塁、三塁を守れ、フルで出さなければいけないという条件が付かない選手」(藤川監督)を求めている。