ネスレ、不振の水事業をグローバル部門に統合-分社化・売却も視野か
(ブルームバーグ): ネスレは19日、来年初めにボトル入りの水とプレミアム飲料事業をグローバル事業部門に統合すると発表した。世界最大の食品会社である同社は、9月に就任したばかりのローラン・フレイシェ最高経営責任者(CEO)のもと、成長の加速を模索している。
ペリエやアクアパンナといったブランドを巡る今回の動きは、合併や買収などを含まないオーガニック成長がここ数四半期で鈍化している水事業の売却や分社化の前兆の可能性がある。フレイシェ氏は、ネスレの他のブランド強化のため、マーケティングに注力する計画も示しており、中期的に利益率の引き上げにつながりそうだ。
社歴38年のフレイシェ氏は、ネスレを約8年間率いたマーク・シュナイダー氏を引き継いだ。フレイシェ氏は10月、今年の売上高のオーガニック成長率の目標を2%程度に引き下げた。2000年代初め以降では最低となる。
売上高の4%にも満たない水事業は最近、汚染問題や供給制約に苦しんできた。統合は欧州のネスレ・ウォーターズの責任者であるミュリエル・リノー氏が率いる形で行われ、経営陣は提携の可能性も含め戦略を評価する。
フレイシェ氏は、バイアウトファンドが水事業に投資する可能性について聞かれると、同事業の戦略的選択肢を検討するには時間がかかると応じた。その上で、水事業をグローバル部門に統合し、その後に何らかの機会を模索するのは「ある意味当然」と述べた。
米国で苦戦している冷凍食品部門などの売却については発表しなかった。フレイシェ氏は、業績不振事業の大部分を売却するのではなく、立て直すと強調した。
ネスレの株価は19日のスイス市場で一時2%下落。年初来の下落率は20%を超えている。
原題:Nestle CEO to Separate Water Brands Into Standalone Business(抜粋)
--取材協力:Allegra Catelli.
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Dasha Afanasieva