社員の資産や健康状態を把握して経営に生かす企業向けアプリ、三菱UFJ信託銀が提供へ
三菱UFJ信託銀行は来年4月から、社員の資産や健康状態を把握できる企業向けアプリを提供する。人材を資本ととらえて企業の価値を引き上げる「人的資本経営」を進める一環として、人事制度や福利厚生の効果を検証しやすくする。
社員はパソコンなどでアプリを利用し、企業年金やNISA(少額投資非課税制度)の口座をひも付ける。社員は自分の資産の将来予測のほか、健康年齢の測定結果や福利厚生制度を確認できる。
会社側は個人を特定しない形で社員の資産状況を把握でき、社内の年代別の資産額分布も計測可能だ。アプリを通じて研修動画の配信やアンケートなども実施できる。
アプリの利用料は1人あたり月550円。契約企業が従業員の人数に応じて支払う。今後7年間で上場企業を中心に20万人の利用を目指す。
金融庁は2023年3月期の有価証券報告書から、「人的資本に関する情報」の開示を義務づけている。三菱UFJ信託銀は、このアプリを通じて集計した社内の研修受講率や健康診断受診率などのデータを活用した開示を勧めている。