アニメと歌舞伎で『風の谷のナウシカ』を年末年始に楽しもう!
12月25日の「金曜ロードSHOW!」で宮崎駿監督の名作『風の谷のナウシカ』が、そして年明けの1月2・3日にNHKBSプレミアムで新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』が放送される。年末年始に2つの『ナウシカ』が連続で楽しめる、貴重な機会となりそうだ。 【関連画像】アニメ&歌舞伎『ナウシカ』場面カットを見る(写真10点) まず12月25日、日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」にて『風の谷のナウシカ』がノーカット放送される。宮崎駿が「アニメージュ」で連載したSFファンタジーコミックを、自らが監督を務めて84年にアニメ映画化した作品だ。 舞台は「火の7日間」という最終戦争から1000年後の世界。汚染された大地には瘴気という毒ガスを放出する巨大な菌類の森「腐海」が拡がり、生き延びた人類は瘴気と腐海を守る昆虫に似た巨大生物「蟲」に怯えながら暮らしていた。 小国「風の谷」を治める族長の娘・ナウシカは、ある日軍事大国トルメキアの輸送船の墜落に遭遇する。輸送船に搭乗していたペジテの王女・ラステルは、救助に駆け付けたナウシカに「積み荷を燃やして」という言葉を遺して事切れる。積み荷とは、最終戦争で使われた伝説の生物兵器「巨神兵」だった。ほどなく、巨神兵の奪取を企むトルメキアの第四皇女クシャナが、風の谷へと飛来してきて――。 劇場公開から36年、幾度となく同枠内で放送されてきた作品ではあるが、今年は少し状況が違う。コロナ禍によってマスクをつけての外出が常識となった私たちの世界は、腐海の瘴気と共存せざるをえない『ナウシカ』の世界観と図らずも重なった形となった。誰にとっても混乱に満ちた1年の最後に『ナウシカ』が伝える希望のメッセージは、いつも以上に観る者の胸に迫って来るのではないだろうか。 そして年明けの1月2・3日、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』がNHKBSプレミアムにて放送される。こちらは待望のテレビ初放送だ。6時間超・全7幕の公演を2日に分けて、出演者の新撮インタビューを加えてノーカットで楽しめる。 主人公ナウシカを尾上菊之助、トルメキアの皇女クシャナを中村七之助といった実力派俳優が演じ、さらに尾上松也をはじめとする若手人気俳優陣が加わり魅力あふれる出演陣が揃った本作は、2019年12月6日~25日に新橋演舞場で上演された。 『ナウシカ』を歌舞伎で上演することを誰よりも熱望したのは、主演の菊之助だ。アニメに魅了されたあと読んだ原作の深いテーマ性、壮大さと魅力に強く惹かれたのだという。劇場アニメの『ナウシカ』が原作コミックの2巻までのエピソードで構成されているのに対して、原作全7巻の内容を忠実に描いた内容となっているところにも、原作に対する菊之助の強い思いが感じられる。 宙乗り・毛振りなど歌舞伎ならでは手法を使って表現された新しい宮崎ワールドが圧倒的な支持を受け、チケットが入手困難になったことも話題となった本作だけに、この連続放送はファンにとって何よりのお年玉となりそうだ。なお、こちらは両日放送開始が午前7時30分から。早朝からのスタートなので、くれぐれもご注意を。
アニメージュプラス 編集部