自民党議連甘利氏、ラピダスの存在「意義がある」-1社集中はリスク
(ブルームバーグ): 自民党半導体戦略推進議員連盟の名誉会長を務める甘利明前衆議院議員は11日、都内で開幕したセミコンジャパンで、先端半導体の受託生産が台湾積体電路製造(TSMC)1社に集中するのはリスクであり、2ナノ半導体の量産を目指すラピダスの存在がリスクを軽減する上で「意義がある」と述べた。
甘利氏は、半導体の微細化技術はTSMCが独走しており、「TSMC1社に全てのファブレス企業が委託をしなければならない時代」になる一方で、台湾海峡が封鎖されるような事態に陥った場合、先進半導体のほとんどは供給が止まり、「リーマンショックの何倍もの経済衝撃が襲ってくる」との見方を示した。
TSMCに肩を並べるかそれに近い生産能力を持つファウンドリーを作ることがリスク軽減につながり、「ラピダスの存在はそこに意義がある」と述べた。
政府は経済安全保障の観点から、国内での半導体生産体制強化に向けて関連企業を支援している。
石破茂首相もビデオメッセージを寄せ、2030年までに人工知能(AI)や半導体分野で10兆円以上の公的支援を行い、今後10年間で50兆円を超える関連投資を引き出すための新たな枠組みを策定する方針を改めて強調した。
--取材協力:岩井春翔.
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Yuki Furukawa