相撲協会がえらい剣幕で抗議に来て…「小倉智昭」さんが語っていた「とくダネ!」最大のピンチ 一番警戒していた「ライバルキャスター」とは
玉川徹の面白さ
朝のワイドショーの競争は苛烈だ。ライバル局も「小倉を倒せ!」とばかりに大物を投入してきた。そうしたライバルたちを、小倉氏はどう見ていたのだろうか。 「同じ時間帯の番組で一番気にしていたのは、やっぱり羽鳥(慎一)くんの『モーニングショー』(テレ朝系)ですね。調子いいですからね。だからなぜあの番組は調子がいいのか、という視点で見ていました。そうすると、あ、これは今の我々の番組じゃできないな、といったことが見えてくる。やっぱり、羽鳥くんが好感を持たれているというのも好調の理由でしょうし、羽鳥くんがボードで説明する時、コメンテーター側に突っ込み役がいるのも良いのでしょう。」 強敵は羽鳥キャスターだけではなかった。 「傍から見ると、悪役的な突っ込み役がいて、政治をこき下ろす。それを、玉川徹さんというテレ朝の社員がやっているという面白さ。その特異な感じが受けているんだと思いますね。でも、彼が『報道ステーション』に出ていって、あの感覚で朝日新聞や共同通信の解説者のポジションに座れるかっていうと、それはやっぱり無理でしょう。だから情報番組にピッタリ合ったのかな。なおかつ、羽鳥くんがいるからあれだけのことがやれるんだと思います。羽鳥くんはなだめ役のポジションで、あんまりきついことを言わないですからね」
後継・谷原章介
「とくダネ!」の後継番組「めざまし8」のキャスターになった谷原章介氏のことはこう述べている。 「よく頑張っていると思いますよ。何しろソフトですし、あんまりみんなから嫌われるタイプじゃないと思うんだよね、僕とは違って。それがいいのか、物足りなさが出るのか、それはもう視聴者のみなさんが考えることだと思います」 今年5月、「週刊新潮」の対談「岩田明子の貴方にスポットライト」に登場した際は、谷原氏についてこう評価している。 「この間、初めて谷原(章介)君とお話ししましたが、いろいろ自分の考えを持っている人ですね。でもそれをあまり出していない。テレビの中ではお行儀が良く、6人お子さんがいて、家庭を大事にして、という部分が強く出過ぎている気がしますね。でも、そこがいまの時代に合っているのかもしれない」 「彼はあくまで『俳優』だと言っていたのが印象的でした。俳優さんが司会をやると、司会者を演じているようなことになるでしょう。話し方が演技になる。その点、僕らは地でやるしかないわけで、そのあたりの違いがお行儀良さに通じているのかもしれないとも思いましたね」 2016年に膀胱がん、その後、肺がん、腎盂がんと8年間の闘病生活を送った小倉氏。その口調は、最期までキャスター当時のそのままだった。 デイリー新潮編集部
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