横浜FMユースを2-0で撃破。G大阪ユースがクラセン連覇に続き、プレミアへ「戻す」も実現
[12.8 プレミアリーグプレーオフ決勝 G大阪ユース 2-0 横浜FMユース サンフレッチェビレッジ広島第一球技場] 【写真】乃木坂46五百城茉央が優勝もたらす“勝利の女神”に(全20枚) G大阪ユースがクラブユース日本一に続き、プレミアリーグ復帰も達成。8日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 プレーオフ(広島)のDブロック決勝でガンバ大阪ユース(関西1)と横浜F・マリノスユース(関東2)が対戦。G大阪が2-0で勝ち、2022年以来となるプレミアリーグ昇格を果たした。 G大阪は今夏の日本クラブユース選手権(U-18)大会で2連覇。プリンスリーグ関西1部を制し、プレミアリーグ昇格も成し遂げた。CB古河幹太主将(3年)は「プレミアに上がることは目標っていうよりは、戻すっていう自分たちのタスクやったんで、そこでホッとした気持ちと、来年は絶対上位争いにして欲しいなと思います。やれることはやったかなと思います。3年生として」。3年生は目標を全てクリアし、後輩たちにバトンを繋いだ。 G大阪はプレーオフ初戦で高川学園高に2-1で勝利。この日は、スタンドからサポーターとともに高川学園の選手たちも声で後押しする中で大一番に臨んだ。先発は高校2年生でプロ契約したGK荒木琉偉(2年、U-19日本代表)、DF松本健作(3年)、加地莉比斗(3年)、古河、横井佑弥(1年、U-16日本代表)、MF天野悠斗(3年、U-18日本代表)、森田将光(3年)、長田叶羽(3年、U-18日本代表)、大倉慎平(3年)、FW安藤陸登(3年)、久永虎次郎(2年)の11人だった。 一方、横浜FMはプリンスリーグ関東1部で2位。プレーオフ初戦で愛媛U-18に逆転勝ちしてプレミア昇格に王手をかけていた。この日の先発はGK齋田昊(1年)、DF白須健斗(3年)、奥寺湊(2年)、藤井翔大(1年、U-16日本代表)、平野遼(1年)、MF德田佑真(3年)、トップ昇格の望月耕平(3年)、吉沢実頼(3年)、齊藤芭流(2年)、加藤海輝(2年、U-16日本代表)、FWエルシャターブブライト海(3年)の11人。トップ昇格のDF埜口怜乃主将(3年)らを怪我で欠く中でG大阪戦を戦った。 G大阪の古河は「自分たちの最後の試合でもあったんで、今まで積み重ねてきたことだったり、今年の選手は本当に見てて楽しい選手がいっぱいいるのが自分たちの強さなんで。そこをほんとに全部出せた試合が今日だったのかなと思います」と振り返る。 藤井と奥寺の両CBからボールを丁寧に繋いで前進を試みる横浜FMに対し、「攻守に渡って非常にクオリティの高い選手がいるんで、そこはチームの強みででもあります」(町中大輔監督)というG大阪は試合を通して攻守に効いていた長田、大倉のダブルボランチを筆頭に技術力の高い選手たちがハードワークを続けて主導権を握る。 アグレッシブにスペースを突く森田、天野の両翼や松本、加地の両SBの攻め上がりも交え、クオリティの高さと怖さのある攻撃。そして26分、この日鋭い動きを連発していた左SH天野がカットインから右足を振り抜く。これは相手GK齋田に阻まれたが、こぼれ球にいち早く反応した森田が右足シュート。ハードワーカーの森田が貴重な先制点を叩き出した。 G大阪はその後も久永、安藤の2トップがボールに係わりながら繰り返しアタック。37分には右サイドへ抜け出した安藤が森田とのワンツーから左足を振り抜く。また、松本の折り返しを大倉が右足で狙うなど、多彩な攻撃で追加点を目指した。 相手FWエルシャターブとMF加藤にシュートを許したものの、前半のシュート数は9-2。だが、横浜FMは奥寺が出足良く守り、白須、藤井、平野もこぼれ球に素早く反応してかき出すなど2点目を許さなかった。その横浜FMは後半開始からエルシャターブに代えてFW横山俊介(3年)を投入し、攻撃に迫力を加えて巻き返す。 G大阪は後半もボールを正確に動かし、天野がカットインシュート。だが、同点を目指す横浜FMも徳田と吉沢や望月が多くボールに係わりながら幅を使った攻撃で反撃する。推進力十分の動きを見せる横山を起点に、望月のパスなどから齊藤や加藤が相手のポケットへ。27分には徳田が左足シュートを狙い、さらに交代出場MF上西遥喜(3年)のFKや白須の左クロスでプレッシャーをかける。だが、注目GK荒木やCB古河を中心としたG大阪の守りは堅い。 G大阪は29分に右SB松井イライジャ博登(3年)とFW中積爲(2年)を投入。31分、横浜FMは望月がPAで前を向くが、G大阪はカバーした加地と横井が対応し、シュートを打たせなかった。 横浜FMは33分にDF早川優世(2年)を投入。その早川がPAへ侵入するなどゴール前の局面を作り出していた。だが、G大阪は要所でパスカットする長田や大倉、また森田、天野の両SHら各選手の守備意識が高い。町中監督が「ああやって耐える時間帯もあると思いますし、そこで失点しなかったのが今年の強みかなと思います」と説明し、古河も「プリンスでやってきて、高体連でロングボールを多用してくるチームとやることが多かったんで、そこの我慢強さとか、粘り強さとか、この2年間で凄くチームについたかなと思います」と語ったように、我慢強く守って得点を許さなかった。 逆に40分、G大阪は左サイドでボールを持った天野が左のポケットへ飛び出した大倉へパス。大倉のクロスのこぼれ球を安藤が右足でゴールへ叩き込み、2-0とした。その後 MF石川隼(3年)、MF矢田幸紀斗(3年)、MF當野泰生(2年)を投入して試合を締めたG大阪が2-0で勝利。強豪対決を制し、プレミアリーグ復帰を果たした。 G大阪の町中監督はクラブユース選手権優勝、プレミアリーグ昇格を果たした3年生たちについて「やるべきことを、しっかり目の前のことをしっかりやる。人に引っ張られず自分に矢印向けて周りにとらわれずっていうところが、夏以降、非常に自分自身に矢印向けてできてきたかなっていう感じはありますね」と評価する。 3年生は今年、結果を残し続けたが、1年時にはプレミアリーグからプリンスリーグへ降格。昨年は日本クラブユース選手権で優勝した一方、プリンスリーグ関西1部は最終節で残留決定と苦戦を強いられた。森田は「僕が1年生の時にプレミアから落ちてしまったんで、去年も上げようと思ったんですけど、それは難しくて。今年、絶対自分たちの代で戻して、置き土産じゃないですけど残していけるようにっていうのはずっとこの1年間思っていました」と明かす。 3年生はG大阪を“本来いるべき場所”へ戻すことに成功。古河は「今いる2年生とか1年生とか、次入ってくる今中3の子たちとかも、ほんとにプリンスにいるとほんとにもったいないぐらいのレベルの選手たちなんで、来年はほんとに(プレミアリーグで)頑張ってくれると思います」と期待し、荒木は「(来年はレベルの高い相手に)自分たちの力も発揮して、ファイナル行きたいですね。先輩たちがここまで、プレミアまで連れてきてくれたんで、そのチャンスを使ってファイナルまで行きます」と意気込んだ。来年の目標はクラブユース選手権3連覇とともにプレミアリーグ昇格、即優勝。“取れるものを全て獲った”先輩たちのように、大舞台でG大阪ユースの強さを示す。
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