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納税記録は全員開示 ノルウェーの「信頼に基づく社会」

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Forbes JAPAN

米国では、11月の大統領選挙が目前に迫る中、トランプ大統領に納税記録の開示を求める声が高まっている。米裁判所は先週、開示をさらに遅らせることを認めており、納税記録の開示は選挙後になる可能性が高い。 ノルウェーでは、このようなことは決して問題にならない。同国では約200年前から、国民全員の納税記録の概要が公表されているからだ。 ノルウェー首相が払う税金は? 2019年の納税記録は数週間以内に公表される予定だ。ノルウェーのアーナ・ソールバルグ首相は2018年の課税所得が160万クローネ(約1900万円)、課税資産額は530万クローネ(約6200万円)で、所得と資産に対する課税額は70万クローネ(約820万円)余りだった。 この制度に関する反対は少なく、むしろ大半の国民が賛同しているようだ。トロンヘイムのコワーキングスペース、ワーク・ワーク(Work-Work)の総括管理者スベレ・ソールバルグは「ノルウェーは概して信頼に基づいた社会だ」と語る。 ノルウェー社会にあるこうした信頼は簡単に得られるものではないという。スベレは「情報のオープンな流れが必要だ。何かが隠されていると自動的に、違法行為や非倫理的なことがあると思われる」と説明した。 所得・納税・資産額を開示 ノルウェーでは個人の詳細な納税記録は公開されないが、その要約は開示される。そのため個人や報道機関は、ある年の誰かの経済状況の概要を知ることができる。 ノルウェーでは全納税者の課税所得や納税額、課税資産額が毎年公開される。課税資産額が重要なのは、同国では高所得者に対して追加の富裕税があるからだ。 スベレいわく、ノルウェー人はこうしたデータを公共の情報ととらえているという。「これは平等の問題でもある。社会民主主義国家であるこの国は大きな貧富の差を望んでいない。納税記録をオープンにすることで、貧富の差がどれほど大きいかを皆に示すことができ、議論と対処がしやすくなる」 プライバシー対策の変化 2014年までは、納税記録の検索は匿名で可能だった。しかし現在では、検索にはノルウェー税務管理当局のウェブサイトへのログインが必要だ。検索記録が残るため、誰が自分のデータを閲覧したかを知ることができる。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校のリカルド・ペレストルリャ助教(経済学)はビジネスニュースサイトのクオーツ(Quartz)に対し、この規則変更により検索件数が激減したと述べている。「それでも多くの人が同サイトを利用していたが、他人の収入を調べようとはせず、自分の収入が誰かに検索されたかどうかを調べていた」

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