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共産圏変えた「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」 民主化後退で再び拡大 ベルリンの壁崩壊30年、東欧は今(2)

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 RFEのジェイミー・フライ局長は、東欧で「報道の自由が後退している」と活動拡大の理由を説明。自由だったメディアが次々と政権の影響下に置かれ「真に独立したメディアが大変少なくなった。それ(独立した報道)こそ、われわれがルーマニア、ブルガリア、ハンガリーで果たそうとしている役割だ」と話す。  フライ氏は「長年のネオコン(新保守主義者)」(米紙ナショナル・インタレスト)と評される米共和党系の外交専門家だ。「米政府出資で『独立』と言えるのか」と質問すると、同局長は運営母体「米グローバルメディア局」は報道の独立性を保証していると強調した。  国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の報道自由度ランキングでは、06年には世界10位だったハンガリーが19年は87位に。15年に18位のポーランドも19年59位と急落した。ちなみに同年の日本は67位である。  フライ氏は、東欧はフェイクニュースに弱いと言う。「欧州連合(EU)の起源はナチス」「今のポーランドは共産主義時代より貧しい」といった偽情報を公然、非公然に広める「ロシアの活動」に対処するため、RFE/RLは16年、こうした偽情報の誤りを指摘するサイトを開設。また、ネットと衛星テレビでロシア語ニュースの24時間送信も始めた。ロシアのほか、ロシア語を話す人が多い東欧バルト3国など旧ソ連の視聴者を意識している。

 旧ソ連は全世界に向けて大規模なラジオ放送を行い、自国と共産主義の宣伝を図ったが、効果は極めて限定的だった。しかしモスクワからは現在、衛星テレビ「RT」、ウェブサイト「スプートニク」がニュースを発信。EU欧州議会は16年、これらメディアが「EUの分裂、弱体化」を図っているとして非難決議を出した。決議は、ロシアの情報戦略に一定の影響力があることの裏返しと言える。  ▽愛国主義  ポーランドでは16年、公共放送や通信社を国有化し、幹部人事を掌握する法律が制定された。愛国主義を背景に、ホロコーストなどナチスの犯罪に国や国民が協力したとの言説の流布は18年に禁止された。保守与党「法と正義」が進める報道統制は身内のEUからも批判を浴びる。  ワシチコフスキ氏はポーランドの外相を退いた後、19年から同党所属のEU欧州議会議員を務める。報道の自由度急落への見解を求めると「事実と違う。わが国には民間メディアが多数ある。うそを流してもつぶされない」と話す。

 同氏はそう言うと執務室のテレビのチャンネルを変え、あるポーランド語のニュース番組を選んだ。画面を指さし「極めて反政府的な放送だ」と主張した。ただ、その局は米国資本。  体制批判の報道は国外からという冷戦期の東欧の構図は、ベルリンの壁崩壊後30年後の今も続いている。(続く)

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