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再び頭脳流出の恐れ、「香港人」の移住先は豪英加か-台湾にも関心

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Bloomberg

(ブルームバーグ): 香港で生まれ育ち、教育を受け、夫と出会ったフィリス・ラムさんは、子育ても香港でするつもりだった。だが今は、42年間住む香港を去るしかないと感じている。

「香港の将来を信じることができない」ため、「幼い子ども2人たちのために計画」が必要だと話す。中国による統制強化で彼女のように考える「香港人」が増えている。

中国の統治で自由が侵食されると長い間恐れてきた香港市民は先週、岐路に立たされた。英国から返還された香港に国家安全法を制定する方針を中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が採択したことで、香港に高度の自治を保障してきた「一国二制度」が骨抜きにされるとの懸念から海外移住に関する問い合わせがコンサルタントに殺到している。

「2、3分ごとに問い合わせがある」と不動産・移住コンサルティング会社グローバル・ホームのゲーリー・レオン最高経営責任者(CEO)は語る。顧客からの質問はいつもの約20倍で、移住先として台湾と欧州について最も多く尋ねられるという。

新型コロナウイルスとの闘いに伴う渡航制限が多くの国でまだ続いており、最終的にどれくらいの香港住民が移住するか見極めるには早過ぎるが、英国と米国、台湾は一部の香港市民について移住受け入れ要件の緩和を示唆しており、「エクソダス」とも呼ぶべき住民が大挙して香港を脱出する事態もあり得るとコンサルタントらはみている。

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香港脱出が波のように広がれば、多国籍企業にとって香港の魅力は低下する公算が大きい。大中華圏およびそれ以外のアジアでの成長を図るため何百という企業が香港の人材に頼っている。香港の米国商業会議所は優秀な社員をつなぎ留めるのが一段と難しくなる恐れがあるとみている。

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昨年以降、香港を去ろうとする住民は増えた。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案は市民の激しい反発を招き撤回されたが、同法案に抗議するデモ参加者と警察の衝突が香港中心部のビジネス街で続いた。

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