野生のゾウが人を襲撃 死者も… エサ求めて侵入? 共存に揺れるタイ
その道中には… 杉道生記者(NNNチャチュンサオ) 「こちらはかなり大きくへこんでいるんですが、ゾウの足跡だということです。こちらにも続いていますね」 ゾウの捜索に使うのは、赤外線カメラが搭載されたドローンです。上空から捜索すること約3時間。
赤外線カメラが、ゾウの姿を捉えました。30人ほどの捜索隊がゾウを追います。 火薬玉の威嚇でゾウを民家から遠ざけ、ドローンで森にかえったことを確認しました。こうした活動は深夜まで毎日のように続いています。 ◇
タイの人々の命を守る新しい試みも行われています。人工知能=AIを使いゾウを監視・追跡するのです。 プロジェクト担当者が画面を見ながらこう説明します。 「黄色い点はカメラを配置している座標です。カメラがゾウを捉えると、このように写真が表示されます」 このシステムは、タイ王室の支援で3年前に完成しました。野生動物保護区などがある5つの県に37台のカメラが設置されていて、指令センターで監視。AIがゾウを識別すると、顔の向きから進行方向を予測します。スマホアプリを通じて、対象地区に警告を発信する仕組みです。 プロジェクト担当者 「トラブルが増え、問題に直面していることは認めざるを得ません。それは国家レベルでの大きな問題です」 国のシンボルともいえるタイのゾウ。どう共存していくのか、難しい課題に直面しています。