名スカウトの侍U18評価。清宮は不動、中村は下降、田浦は?
ピッチャーに目を向ければ、今大会では田浦文也(秀岳館)の存在が目立った。中継ぎ起用されて5試合でわずか2安打で無失点を続けた。特にチェンジアップはまるで魔球で海外のバッターのバットはクルクル回った。連投となった韓国戦では、先発を任され2回もたずに5失点したが、侍ジャパンから、唯一、大会ベストナインに選ばれた。一躍1位指名候補に浮上、という報道まであった。 だが、片岡氏は、「面白いがドラフト1位は無理」と断言した。 「田浦は、コントロールは一級品。スライダー、止まるように見えるチャンジアップなど変化球もいい。甲子園大会に比べて、コンディションもよかったのだろう。国際試合では目立った。でも、これはあくまでも相手が戸惑っただけの結果で、評価が1位クラスに上がったのかと言えばそうではない。左腕はヤクルト石川に代表されるように上背はなくとも関係ない。田浦の170センチという身長も関係なく、下位で抑えておきたい投手ではある。もう一人の左腕、川端も、独特の角度のストレートは面白く、バッタバッタと三振を取ったが、評価自体はそこまでは変わらない」 同じ秀岳館の左腕、川端健斗は、アメリカ戦で5回3分の2で、脅威の15奪三振を奪ったが、片岡さんの見方はシビアだった。ちなみに川端はプロ志望ではなく立教へ進学予定だ。 「大会全体を見て外野フライを満足に捕球できないようなチームもあったしピッチャーのレベルもバラバラで、この大会では、選手を正当に評価することはできない、というのが結論。木製バットへの適応は見ることができたが、繰り返すがこれは慣れ。高校生は、やはり素材を優先に見る」 名スカウトは、ドラフト候補生にとって、最後の大会となった国際大会をこうまとめた。運命のドラフト会議は、来月26日に開催される。