緑と愛猫に癒される在宅ワーカーズの住まい
リモートワークの定着で通勤苦は減ったが、カップルでともに在宅となると、スペースの確保が必要。かつ気分の切り替えができる仕掛けも欲しい。お気に入りの家具を生かし、機能性とデザイン性を備えたプランで、インドアグリーンと愛猫との暮らしを叶えた菅家邸。そのシンプルにして温かみのあるインテリアセンスは学べる点が多い。
リビングの壁に緑の葉陰を作っているのは、天井まで届きそうな高さのエバーフレッシュ。30㎝ほどの苗から育てたものだ。ハンギングや床置きを含めると30鉢以上、中には胡蝶蘭をハンギングした鉢もある。「もともとグリーンが好きでしたが、賃貸住まいのときは、なんとか増やさないようにしていました」と菅家さん。今は、室内に好きなグリーンがあふれている。リモートワークが増えたのを機に、窓からの景色に抜け感があること、オフィシャルにペット可としていることを条件に物件を探し、内見した瞬間にここに決めたそう。南向きの窓の外には奥行き1.5mほどの広いベランダもある、築24年の物件だ。 リノベに際しては、和室だったところをワークルームに、独立型のキッチンをセミオープンの対面式にするなど変更した。実際の広さ以上に、ゆったりと感じられるのは、空間と家具の絶妙なバランスがなせる技。建具や内装を、手持ちのデンマークやイタリアのヴィンテージ家具に合わせてデザインしてもらっている。床はホワイトオークのパーケット張りで、キッチンカウンターの腰壁はラワンベニヤをツートーン使いにした。時を重ねて愛されてきた家具と瑞々しい観葉植物が、木質感の温かみのある空間をスタイリッシュに見せる。映画のポスターや小物もグリーンをテーマカラーにセレクトしているため、視線をどこに向けても色が散らからない。差し色はブラック。椅子やキッチンカウンター、書斎の造作棚などに黒を使い引き締めている。 夫妻がともにリモートワークの日も、夫はワークルームで仕事に集中し、終われば趣味の音楽に没頭。妻はグリーンの手入れをしてから、ダイニングテーブルで仕事スイッチを入れる。お互いのペースを保てるほどよい距離感を、2匹の愛猫が自由に闊歩しながら、双方を癒やしに訪れる。夫妻にとって心地よい日々だ。