長谷部誠を思わせる遠藤航が見せつけた分析力と対応力、日本代表の欠かせない軸に/日本代表コラム
2カ月連続でのヨーロッパ組のみでの欧州遠征。11月シリーズの初戦となったパナマ代表戦は、1-0で勝利を収めた。 投入後にチームの流れが一変、MF遠藤航が大事にすること「相手の位置、味方の位置、自分の位置を把握すること」 約1年ぶりの活動となった10月ではアフリカ勢のカメルーン代表、コートジボワール代表を相手に2試合とも無失点。結果は1勝1分けで終えていたが、パナマ戦に勝利し2連勝となった。 2年前に対戦した時とは監督もメンバーも変わっているパナマ代表。日本はキックオフから良い入りを見せたが、徐々にパナマが日本のプレスに慣れると、日本は押し込まれていないながらも窮屈な戦いを強いられた。その中で目立ったのが、後半から入ったMF遠藤航(シュツットガルト)だった。
◆スタンドから分析していた前半
この試合はMF柴崎岳(レガネス)とMF橋本拳人(FCロストフ)の2人がボランチで先発出場。橋本は夏にFC東京からロシアへと移籍すると、1つ前のポジションで起用され得点力が開花。ここまで5ゴールを記録するなど、好調を維持していた。 10月の活動は渡航制限の影響から招集外となったが、この試合では先発。持ち味であるボール奪取は時折見せたものの、バイタルエリアで相手を自由にさせてしまうシーンが散見された。 その理由について、スタンドから見ていた遠藤が試合後に「拳人も間で受けていましたけど、1ボランチ気味だったので捕まりやすかったかなと思う」とコメント。ボランチ2人の関係性が難しさを生んでいたと分析した。 この試合では通常の[4-2-3-1]ではなく、3バックを採用した[3-4-2-1]で臨んだ日本。守備ではウイングバックが下がって5バック気味となり、ボランチの2人がその前に並ぶ形となった。 しかし、攻撃時は、3バックの前に橋本、柴崎もう1列前にポジションを取り、[3-3-1-2-1]のような形に。しかし、シャドーに入ったMF久保建英(ビジャレアル)とMF三好康児(アントワープ)が高い位置を取れなかったため、柴崎の位置が苦しい形に。そして、橋本の脇をパナマに使われるシーンが増えていった。 遠藤は「前半上から見ていて前につければチャンスになるなと。拓実やシャドーは空いてるなと思った」としたが、柴崎は距離が近すぎて使いずらい状況に。そのため「2ボランチは横並びの方がボールを動かしやすいなというイメージだった」と縦関係ではなく、横に並ぶべきだと感じていたことを明かした。