国産FSC認証木材が拡大、シャネルやカインズも
森林の生物多様性や人権への配慮を確認する目印となるFSC(森林管理協議会)認証。これまで輸入木材を原材料とした製品に比べ、国産木材を使用した製品では普及が遅れていたが、徐々に広まっている。大手ホームセンターのカインズが日本で初めて国産FSC認証針葉樹合板を採用したほか、デニーズやシャネルなどが山梨県産FSC認証材の紙ストローを導入した。(オルタナ副編集長=吉田広子) FSCジャパン(特定非営利活動法人日本森林管理協議会、東京・新宿)によると、FSC認証の紙製品や紙パッケージを使用した製品は増加しているものの、特に国産材を使用した木材製品では、消費者が簡単に入手できるFSC認証製品が限られていることが課題となっていた。 そうしたなか、カインズ朝霞店(埼玉県)では、中国地方の国産FSC認証ヒノキと杉を使用し、日新(鳥取県境港市)が製造した針葉樹合板の導入を開始した。同時に、輸入材を使用したFSC認証ラジアタパイン集成材の取り扱いも開始し、店頭ではFSC認証製品を緑色の棚に陳列し、消費者が一目で見つけられるように工夫しているという。 今後はほかの店舗でも展開するほか、PB(プライベートブランド)製品の紙パッケージにもFSC認証紙を採用する予定だ。
■国産FSC認証ストローで脱プラ対策
大手飲食店のデニーズでは8月から、山梨県甲府市内の店舗で、山梨県産FSC認証材を使用し、やまなし森の紙推進協議会(甲府市)が製造するFSC認証紙ストローの導入を開始した。この国産FSC認証ストローには山梨県が創出したオフセット・クレジットが活用され、森林保護やCO2削減などにも貢献する。 さらに、山梨県の障がい者就労支援事業窓口「ジョブクリエーター」がストローの最終加工を行い、障がい者就労支援にもつながっている。 デニーズのほか、シャネルの国内店舗でも山梨県産FSC認証紙ストローが導入され、オフィスで使用するコピー用紙は全て山梨県産FSC認証材を原料にしているという。神奈川県で和食チェーンを展開するきじま(横浜市)も、山梨県産FSC 認証紙ストローや山梨県産杉箸を導入した。