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中断されていたSLSコアステージの「グリーン・ラン試験」再開準備進む

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2024年の有人月面探査再開を目指すNASAは新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」の開発を進めています。新型宇宙船「オリオン」の初飛行となる無人ミッション「アルテミス1」に用いられるSLSのコアステージに対する試験は新型コロナウイルスの影響により3月から中断されていましたが、再開に向けて準備が進められています。

■試験再開に向け準備が進むも、打ち上げ時期は2021年11月に延期か

グリーン・ランはコアステージに搭載されている4基のRS-25エンジン、液体水素/液体酸素のタンク、誘導制御システムなどが一体となって動作する試験で、8つの段階に分かれています。今年の1月にジョン・C・ステニス宇宙センターのB-2テストスタンドに据え付けられたコアステージは振動特性を調べる1段階目の試験を完了したものの、新型コロナウイルスへの対応にともないステニス宇宙センターが閉鎖されたため、3月18日から試験の実施を一時的に中断していました。 現在ステニス宇宙センターでは、コアステージのさまざまな電子機器をチェックする2段階目の試験に向けて準備が進められています。この試験では飛行中にコアステージを制御する3つのコンピューターや、コアステージの状態を把握するための機器などの電源が入れられます。Lisa Espy氏(マーシャル宇宙飛行センター)は「アルテミス計画初のミッションで機体を制御するシステムが立ち上がるのを見られると思うとワクワクします」とコメントしています。 グリーン・ラン試験の最終段階では、コアステージの4基のエンジンが実際の打ち上げと同じ8分間に渡り稼働することになります。試験に携わるRichard Sheppard氏(マーシャル宇宙飛行センター)は「これはSLSの初飛行であるアルテミス1だけでなく、2024年に有人月面探査を行うアルテミス3のための試験でもあります」と語ります。 新型コロナウイルスの影響により中断されていた試験は再開されつつありますが、アルテミス1の打ち上げは遅れることになりそうです。当初、アルテミス1は今年2020年に実施される予定となっていましたが、NASA諮問委員会(NAC)から公開されている今年3月13日付の資料によると、アルテミス1の打ち上げ時期は2021年11月とされています。また、先日はNASAのジム・ブライデンスタイン長官がSLSの状況に触れつつ「2021年に月の周囲へとオリオン宇宙船を打ち上げる」と発言しています。 なお、オリオン宇宙船の有人テスト飛行にあたるアルテミス2を2022年に、有人月面探査を行うアルテミス3を2024年に実施する予定は変更されていません。先日は着陸船の開発を担う3社が選定されるなどの進捗もみられるアルテミス計画、目標通り2024年に有人探査を実現できるのかが注目されます。

松村武宏

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