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【土地評価額】路線価調整があれば、納め過ぎた「相続税」「贈与税」還付の可能性

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マネーの達人

令和2年7月1日に、令和2年分(2020年)の路線価が公表されました。 新型コロナウイルスが色濃く反映されそうな年ですが、路線価の金額は全国平均で前年比1.6%の上昇となっています。 昨今の状況下で路線価の金額が上がるのは不思議と思われるかもしれませんので、その理由について解説します。

路線価は毎年1月1日時点の相場が基準

路線価は、その年の1月1日時点の相場や経済状況を踏まえて算出されます。 令和2年分の路線価が全国平均で上昇したのは近年増加している外国人観光客の影響で、景気が上向きになっていた地域が各地に存在したのも要因の1つと推察します。 一方で、新型コロナウイルスの話題が出てきたのは1月中頃からだったので、令和2年分の路線価には新型コロナウイルスの影響は加味されていません。 したがって、令和元年分の路線価よりも価値が上昇したと考えられます。

路線価の調整率の措置について

路線価は、その年の相続税・贈与税の計算で使用します。 そのため、令和2年の下半期に景気が悪くなったとしても、令和2年1月1日時点の相場に基づいた路線価を使用して評価額を算出しなければいけません。 しかし、「今後、新型コロナウイルスの影響による大幅な土地の価値の下落があった場合には国税庁は何らかの措置を講じる」との報道がありました。 過去の事例では、東日本大震災や令和元年の台風第19号の被害を受けた地域の路線価に対し、調整率を乗じる措置が実施されています。 調整率とは、路線価の金額を下げるための補正なので、調整率が公表されれば相続税・贈与税の土地の評価額は下がります。

評価額が下がれば税金が還付される可能性

令和2年分の路線価に対して調整率が適用されるか否かの判断は、執筆時点では難しい状況です。 しかし、国税庁が可能性について言及している以上は、調整率が適用される見込みは十分に考えられます。 調整率を適用できるとなった場合には、適用期間は過去にさかのぼることも想定されます。 そのため、すでに申告した相続税・贈与税の申告書を提出した人にも影響があるかもしれません。 申告書を提出した人が調整率を適用するためには、更正の請求を行う必要がありますが、手続きが完了すれば多く納めていた税金が還付されます。 更正の請求書の提出は申告期限から5年以内ですが、緊急措置の場合には申請期限が延長されるケースもあります。 なお、調整率の適用の有無は、今後の経済状況を踏まえたうえで国税庁が決定します。 令和2年中に相続税・贈与税の手続きをする予定のある人は、申告前に一度税務署に確認してください。(執筆者:平井 拓 / 12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動中。相続税・贈与税・所得税が専門。)

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