【首絞めセクハラ問題】中国電力などジャフコに「適切な対応」要望
独立系ベンチャーキャピタル(VC)国内大手のジャフコグループの元社員の女性が、社員2人からセクハラやパワハラにあったとして、ジャフコに対し慰謝料などを求めている問題で、女性の代理弁護人が2024年12月13日、記者会見を開いた。 【全画像をみる】【首絞めセクハラ問題】中国電力などジャフコに「適切な対応」要望 女性側は11月中旬、ジャフコが運営する「ジャフコV7投資事業有限責任組合」の共同出資者である7社に対して、救済措置を図ることや、セクハラが起きないような環境を作ることなどを出資者の立場からジャフコ側に要望することを求める申し入れ書を送っていた。 この申し入れ書に対し、中国電力とインテック、アズビル、中電工の4社は、ジャフコに対して「人権尊重を基本に適切な対応をおこなう」ことの要請や、「ハラスメント(二次被害を含む)の発生を可及的に予防できるような環境整備に努めていただきたい」という要請を行ったと回答した。 一方で日本政策投資銀行、森六ホールディングス、北海道電力の3社は「回答を控える」とした。 女性側の代理人弁護士・指宿昭一氏は「出資者として法的責任はないとしても『ビジネスと人権』の立場から、人権侵害を是正するっていう責任がある」と指摘した。 また政府系機関である日本政策銀行が、ジャフコへの要望の有無について回答しなかったことについて指宿氏は、「非常に疑問に感じるし残念。むしろ問題の解決に取り組みしっかり社会に公表していく態度が望まれているのではないか」とした。 関連記事:ジャフコ“首絞め”セクハラ告発。弁護士が会見「業界の体質に問題」と指摘
過半数が要望「歓迎すべきこと」
指宿弁護士によると、今回7社に対して申し入れ書を送った理由について、「セクハラ問題があった時期の前後に重なるファンドで規模も大きい。私達が調査してわかったのがこの7社だった」と説明し、セクハラの当事者社員が関わっていたのかはわからないという。 出資7社に対して、ジャフコに対する要請・対話を申し入れた内容は以下の3点。 被害者への謝罪と賠償を含む救済措置 ジャフコが投資する起業家及びジャフコが雇用する労働者に対するセクハラが起きないような環境を作る ジャフコにおいて、セクハラ事件が起こったときにセカンド・ハラスメントの発生や被害拡大を防ぎ、被害の回復がなされるような仕組みや機関の設置、ハラスメント加害者データベースなどによって再発防止策が講じられるようなシステムの構築に取り組むこと 出資した企業の責任について指宿弁護士は「出したお金がどう使われるのかという視点から、ジャフコ社内における人権侵害に関して問題があれば要望を出すなどの方法で改善を図る必要があるのではないか」と指摘した。 申し入れを受け中部電力など4社が、ジャフコに対して申し入れを行ったという点について指宿弁護士は、「7社のうち4社つまり過半数が要望したというのは歓迎すべきこと。日本社会、企業の中でも意識が変わってきているのかなと感じている」とも評価した。
横山耕太郎