あの開幕戦を知る男、岸本隆一、田代直希が琉球をリーグ初制覇に導く【#バスケが観たいです】
歴史的開幕戦を戦った琉球が西地区首位を堅持
Bリーグの歴史のスタートは2016-17シーズン。終盤戦に突入した2020-21シーズンは早くも5シーズン目ということになり、その認知度が年々着実に高まっていることは言うまでもない。 Bリーグチャンピオンシップの開催概要が発表、今年からファイナルは2戦先勝方式に 思い返すと、その幕開けは実に印象的なものだった。2016年9月22日、他カードに先駆けて国立代々木競技場第一体育館で開催されたリーグ最初の公式戦だ。コートにLEDパネルを敷き詰めるという史上初めての試みがなされ、9000人を超える観衆が集まったことも話題になったが、その顔合わせも同様に大きな注目を集めた。かたや旧NBLから、屈指の強豪として何度も頂点を極めてきたアルバルク東京。そして旧bjリーグからは、直前の2015-16シーズンを含むリーグ最多の4度の優勝を成し遂げた琉球ゴールデンキングス。過去に多数の日本代表選手を輩出したA東京はエリート軍団と称され、一方の琉球は雑草軍団と例えられた。それぞれのリーグを代表したチームでありながら対照的なカラーを持つ両者が開幕カードに選ばれたことを覚えている人も多いはずだ。 それから約4年半の月日が流れ、その間にA東京は2度のリーグ制覇を果たし、思いがけず途中で打ち切りとなった昨シーズンもリーグ全体の最高勝率を残すなど、Bリーグでも強烈なインパクトを残している。一方の琉球はというと、リーグ初年度の2016-17シーズンはA東京との開幕カードで連敗を喫し、その後レギュラーシーズン最終戦の劇的勝利でチャンピオンシップの8つ目のイスに滑りこんだとはいえ、そのCSではクォーターファイナルであえなく敗退。しかし、無念を晴らすべく積極補強に動いた翌シーズンからは3シーズン連続で西地区優勝と、今やその強さはすっかり安定した。 そこに至るまでには紆余曲折もあった。日本代表クラスの選手の獲得は血の入れ替えを意味し、チームの歴史を紡いできた選手の多くが退団。今では、リーグ初年度の開幕戦の舞台を経験しているのは岸本隆一と田代直希だけになった。さらに、積極補強で獲得したはずの選手もほとんどが1シーズンないし2シーズンでチームを去り、昨シーズンには、チームを2シーズン連続地区優勝に導いた佐々宜央ヘッドコーチがシーズン途中で退任するという出来事もあった。ここまで順調にきているかというと、必ずしもそうとは言いきれない。 それでも、従来の3地区制から2地区制に再編されて迎えた今シーズンもシーホース三河以下9チームを抑えて西地区首位の座を堅持。琉球以外に3シーズン連続地区優勝を達成したチームはないが、その記録をさらに伸ばす可能性が高い。