【大相撲】大の里に「弱点」あるのか 面識ある日大相撲部出身プロレスラーがあえて語った〝攻略法〟
規格外の強さの秘密とは? 大相撲の秋巡業が1日、東京・足立区の東京武道館でスタート。新大関大の里(24=二所ノ関)は観客から大歓声と拍手を浴びるなど、角界のニューヒーローとして迎えられた。次の横綱候補としても期待が高まるなか、学生相撲出身で大の里とも面識があるプロレスラー・石田有輝(25=DDT)が新大関の強さを独自分析。相撲経験者の目線から〝攻略法〟についても言及した。 【写真】日大相撲部出身のDDT・石田有輝 新大関が〝巡業デビュー〟を果たした。朝稽古で相撲は取らなかったものの、ぶつかり稽古で「新大関大の里」とアナウンスされると、観客席からは大きな歓声と拍手を送られた。ファンからの期待を肌で感じた新大関は「これからより一層、頑張らないといけない気持ちになった」と表情を引き締めた。 そんな大の里の土俵を欠かさずにチェックしているのが石田だ。大の里は新潟・海洋高を経て日体大で2年連続アマ横綱などのタイトルを獲得した。一方の石田は、名門・鳥取城北高時代に軽量級で世界2位に輝いた実績を持ち、卒業後は日大相撲部で活躍。ともにアマチュア相撲のエリートコースを歩んだ。2学年後輩の大の里とは、高校時代から面識があったという。 石田は「大の里関は、当時から強くて有名だった。高校時代から少しだけ絡みがあって、大学の時も試合の時はあいさつしに来てくれたり、少し話すぐらい。大の里関と相撲を取ったことはないけど、普通に年下の強い子みたいな感じだった」と振り返る。 その上で、秋場所で2度目の優勝を果たした大の里の「体格」と「圧力」に着目。場所前の計測では幕内力士の平均が身長184・8センチ、体重161・8キロに対し、大の里は192センチ㌢、182キロとひと回り大きい。石田は「相撲の基本は押しだと思う。大の里関はそれを徹底していると思うし、立ち合いもろ手でいって、上体を起こしてそのままみたいな相撲が多い。あれだけ体の大きい人が前に出てこられると(相手は)その圧力がめちゃくちゃ嫌だと思う。圧力で押し切れちゃうから強いのでは」と規格外の強さを分析した。 そのことを象徴していたのが、優勝争い真っただ中の10日目の関脇霧島(音羽山)戦だ。立ち合いで左に変化されたが、冷静に対処して寄り切った。石田は「(霧島は)大の里関が前に出てくるのが分かっていたから、そういう怖さがあったのでは。大の里関がうまく対応していた」と指摘した。 圧倒的な強さを誇る大器に〝弱点〟はあるのか。秋場所前まで大関豊昇龍(立浪)とは不戦勝を除いて、いずれも下手投げに屈して3戦全敗だった。それを踏まえて、石田は「ああいうのをされると嫌だと思う。大の里関からしたら、組んでも前に出られるけど、そんなに得意ではないと思うし(相手は)組んで投げるとかしかない」と攻略法を考察した。 ただ、大の里はその因縁の相手を14日目の直接対決で一方的に押し出して優勝を決めた。絶えず進化を続ける新大関は、ますます難攻不落の存在となりそうだ。
加田晃啓