はやぶさ2が着地リハ JAXA会見(全文1)航法誘導は精度15.4mを実現
BOX-C運用の報告
次が20ページ、BOX-C運用で、いったん探査機が低高度から上昇したあと、また再び高度を下げてまず10月30日にはBOX-C1と呼んでいます、高度だいたい5キロメートルまで下がって、これはサイエンスの観測ですね。レーザ高度計とか光学カメラで観測を行ったと。さらに引き続いて今度BOX-C2と呼んでます、だいたい高度2キロメートル付近まで下がって、これはターゲットマーカの撮影を試みました。 ちょっとこのBOXの話は参考資料に出てるんですが、簡単にお見せしますと、参考資料の36ページにこういう図がありまして、これまで最初のときはこのBOX-Cというものしかなかったんですね。BOX-Cというのは高度5キロメートルまでホームポジションから下げていくということなんですけれども、今回さらに下げてこのBOX-C2というのを定義して、だいたい2.5キロと書いてありますが、上空2キロ近くまで下がったということになります。 目的はターゲットマーカの確認ということで、またページを戻っていただきますと21ページですね。この21ページの右側の2枚、これ同じ写真で、下の写真は上の写真を強調しただけなんですが、このように白くきらりと光ってます。これが上空2.4キロメートルから撮影したターゲットマーカでして、これも太陽の光を反射しえて光っているというものです。なので、きちんとターゲットマーカを再確認することができたということになります。 ここまでが運用についてで、次は今後の運用なんですが、合運用になります。合運用というのはこの図のように、太陽を挟んでリュウグウと地球がちょうど正反対のところになりますので、ちょうど地球から見るとリュウグウ、探査機が、「はやぶさ2」が太陽の後ろ側に行ってしまう。そうすると太陽によって通信が邪魔されてしまうので、あまりクリティカルなことはこの期間はやらないということになります。合運用の期間は11月下旬から12月末ということになるんですが、少し詳しくお話ししますと次の23ページのようになります。 この図、少し理解が難しいんですが、単純に言いますと、ここにこの下のところの黒い点、これがリュウグウでして、真上の方向が太陽方向です。最初は上空20キロメートルのホームポジションにいるんですが、ここからちょっとManeuverをして、ジェットを噴かして軌道をそらします。で、だいたい太陽方向にだいたい100キロメートルほど伸びた軌道に入って、これをぐるっと1周してくるんですね。 これがだいたい1カ月間で1周してくるので、ちょうど合が起こっている間は小惑星には接近しないで、むしろ逆に小惑星から離れるけれども、小惑星から完全に離れることはなくて、また戻ってくるという、うまい軌道を工夫して、こういう軌道に乗せておきます。これが一番安全でかつ燃料もあまり使わないで運用ができるということになります。 具体的にはここに書いてある日付、4回のこの日付に、Maneuverを行って軌道を変えていくということになります。細かいことは次の24ページに書きましたのでこれをご覧ください。今、説明では省略したいと思います。 次はまた別の話題で、今度はDPSですね。これはDivision for Planetary Sciences of the American Astronomical Societyという米国天文学会の惑星科学の部門の会合なんですが、これ前回の記者説明会でこのDPSでプレスコンファレンスがあるということをご説明したんですが、その簡単なご報告をしたいと思います。 ここにありますように、「はやぶさ2」に特化した記者会見になっておりまして、日本からはJAXAから藤本教授、あと広島大学から藪田先生、さらに東大から巽さんと、この3人が登壇しております。それから米国の科学者で、かつ「はやぶさ2」のプロジェクトメンバーでありますDeborah Domingue さんと、それからLucille Le Correさんがアメリカからの参加、さらにドイツDLRからRalf Jaumannさんが参加ということで、合計この6人が記者会見をしました。 記者会見の内容は、次のページに一応タイトルと主要な項目だけ書きましたので、これをご覧いただくと分かるんですが、基本的には「はやぶさ2」のそのときまでの、これまでのハイライト的な結果を報告したということになります。雰囲気的には次の27ページに写真があるんですが、このように登壇者が並んで1人ずつ順番に話をしたということで、この写真はJAXAの藤本先生がこのリュウグウの写真を見せながら紹介をしているという、そういう場面になります。 では、次はリュウグウの形状模型。