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熱いものが食べられない……「猫舌」を徹底的に研究してわかった“そうでない人”の決定的な違い

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文春オンライン

 鍋を囲む季節でもないし、コロナ禍のせいで大勢で中華料理を食べに行く機会も減っている。そんな時期にこんな話題で恐縮だが、今回のテーマは「猫舌」。 【写真】この記事の写真を見る(4枚)  熱いものを食べられない、というより、口に入れられないのが猫舌。何を食べるにも冷まさなければならないので、1人での食事なら構わなくても、何人かが集まっての会食などでは、全体の食事のペースを落としたり、本来のおいしさを味わえなかったり、色々と面倒が付きまとう。  そんな猫舌を、アカデミックに検証した医師がいる。医学的な猫舌のメカニズムとは――。

困っている人がいるなら、何とかしてあげたい

「猫舌は病気ではありません。でも、猫舌の人が日々の生活で苦労を強いられているのも事実。困っている人がいるなら、何とかしてあげたいと思うのが人情じゃないですか」  と笑って話すのは、東海大学工学部医用生体工学科教授で放射線科専門医の高原太郎医師。  MRI(核磁気共鳴画像診断)のスペシャリストとして知られる高原医師が、猫舌に興味を持ったのは、自らの教え子の卒業研究のテーマ探しがきっかけだったという。 「猫舌に医学的な興味を持つ人は昔からいて、私も機会があれば……と思っていたんです。ちょうどうちの学生がテーマ探しで悩んでいたので、『面白そうだから猫舌でやってみたらどうだろう』とそそのかしたんです。実際にやってみたら想像以上に面白くて、私のほうがハマっちゃった(笑)」  過去に報告された猫舌に関するレポートを見ても、あまり科学的な裏付けのあるものは見当たらなかったので、せっかくだから真剣に取り組んでみよう、ということになった。

熱いものを食べるとき、口の中はどうなっているのか

 高原医師の研究室は、臨床工学技士の国家資格を狙う学生の集団。当然MRIの扱いにも長けている。そこで、熱いものを食べる時の口の中の動きを「Cine MRI」という短時間の連続撮像ができるMRIを使って検証することになった。

 被験者は「猫舌群」5名と「非猫舌群」5名の計10名。MRIで撮影する時は横たわる必要があるので、機械の中で熱いお茶を飲むわけにはいかない。そこで、被験者は撮影の直前に各自3回以上、熱いお茶を飲み、その時の舌の動きを記憶したうえで撮影に臨んだ。MRIの中で、お茶を飲んだ時の舌の動きを再現してもらったのだ。 「猫舌群と非猫舌群とでは“舌の動き”がまったく異なり、しかもそれぞれが非常に特徴的な動きをしていることがわかったのです」(高原医師、以下同)  下の画像の左側が“猫舌群”、右が“非猫舌群”だ。  猫舌ではない人の場合、お茶が口に入ると舌が後方に移動して、下の歯と舌の間に“ポケット”を作り、そこにお茶を溜めている。そのあとで舌の周囲を伝ってのどへと流し込んでいくのだ。  一方の猫舌の人は、まず最初に舌先をお茶に接することからスタートする。非猫舌群の人が終始舌先をお茶に接しないようにしているのとは正反対の動きだ。

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