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阿炎は生まれ変われるか「半年も持つのかね」と皮肉も

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デイリースポーツ

 大相撲の幕内阿炎(26)=錣山=がコロナ禍での「夜の店」通いで角界を憤らせ、世間をあきれさせた。出場停止3場所および5カ月50パーセントの報酬減額の懲戒処分で、その間は新婚妻と別居し部屋で“再教育”となる。度重なる愚行に、ある親方は「半年も持つのかね」と皮肉を込め、“再犯”への不安を隠さない。  出場停止明けの復帰は来年春場所で幕下からの再出発が濃厚。周囲の目は厳しく、気力を維持するのは難しい。ただ、これも錣山部屋の教育「男の修行」だと胸に刻み、生まれ変わるほかない。  相撲界は各部屋ごとに朝稽古の締めはさまざま。力士心得「一つ、我々は力士の本分である礼儀を重んじます-」と弟子全員で訓示を唱える部屋は多い。伝統の佐渡ケ嶽部屋は相撲錬成歌「鍛える我ら 鍛える我ら 相撲道」と合唱する。  中でも錣山部屋は独特。稽古場に山本五十六元帥海軍大将の名言「男の修行」が掲げられている。  「苦しいこともあるだろう。言いたいこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。泣きたいこともあるだろう。これらをじっとこらえて行くのが男の修行である」  この言葉を稽古後に弟子らが斉読する。阿炎ももちろん、ずっと唱えてきた。今後復帰まで半年、それ以降も、じっとこらえて行けるかが、修行である。  明るい人柄と抜群のトーク力で人気者の阿炎。一方で天真らんまんな性格が騒動を呼んできた。昨年11月、自身のインスタグラムに不適切投稿で厳重注意を受けた。今年2月は、そのSNS使用に関する研修会で「寝てました」と問題発言。今回が3度目で一線を越えた。  不要不急の外出禁止の中、7月場所前後に「夜の店」通いは4回。ただ最初に行われた協会の調査に対し、店に行った回数を虚偽証言。さらに遊興に同席した幕下極芯道(錦戸)に口裏合わせを指示した。調査を担当したコンプライアンス委員会は「無自覚で軽薄な行為。真しな反省の情は見て取れない」と断じられた。  6日の理事会でも「また同じことを繰り返す」と厳しい声。処分を巡り、2時間も紛糾し最終的にラストチャンスを与える“温情裁き”となった。1日に提出された引退届は協会預かりで引退こそ回避したが、次に不祥事なら即引退。それを了承する誓約書の提出も義務付けられた。  師匠・錣山親方(元関脇寺尾)は「阿炎は悪い人間ではないけれど、お子さまで明るいだけではめを外してしまう」と表する。師匠の前では「猫みたい」になり、「すいません、すいません」と謝る日々だという。  自身の幼少期の愛称「あび」をしこ名に与えた弟子。「大人になりきれない子供」だけに、より一層、かわいかったことだろう。それが今回は裏目に出た。「気付かなかった自分が全部悪い」と責任を受け止め、今度こそ自身の監督下で更正させる。  山本五十六元帥はこう言う。  「人は神ではない。誤りをするというところに人間味がある」  さらに有名な人材育成の名言がある。「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」。  裏切り続けた代償は大きい。信頼を得るには、いばらの道が続く。師弟で向き合い、乗り越えてほしい。(デイリースポーツ・荒木 司)

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