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「ゼロ地点のいまを見渡したい」。佐藤允の個展がKOSAKU KANECHIKAで開催

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美術手帖

 過剰ともいえる緻密な線描写や独特の筆致によって、オブセッションや恐怖、恋愛などを描く佐藤允。「作品とは自分が自分のために、生きた人が人のためにつくり受け取るもの」と考える佐藤は、「アートのためのアート」や新しさ、意味を求めることはしない。  その佐藤の個展「Øth(zeroth)」が、東京・天王洲のKOSAKU KANECHIKAで開催される(6月6日~7月11日)。展覧会タイトルの「Øth(zeroth)」は、ゼロ地点という意味と、「over the horizon(水平線)」の略をかけ合わせたものだという。  本展は、2019年に佐藤が参加した原美術館でのグループ展「INTERPRETATIONS, TOKYO‐17世紀絵画が誘う現代の表現」と堂島リバービエンナーレで発表されたボックス型の新シリーズをはじめ、インターネットや雑誌、映画など身近なイメージを描写したシリーズ、セルフ・ポートレイト、ペーパーコラージュなど、多様なフォーマットの作品で構成。佐藤のパーソナルな感情や経験をもとにした様々なイメージの断片は、デフォルメと再編成の過程を通して、ある種の普遍性と独自の美しさを帯びる。  本展について、佐藤は以下のようにコメントしている。  予測不能なことが世の中に起こって、その出来事や状況に対して何も言葉にできないことがある。どこかに進んでいたつもりになっていても、気づけばゼロ地点に立たされていて、これまでに何を思って歩いてきたのか、ぼやけてしまうことがある。私はいま、何がどうなっているのかよくわからない。けれど、わからないものはわからないままに考えながら、ここにいたい。私が絵を描くのは、絵が描きたいからであって、これには未だ変わりがない。だから変わらずに絵を描いて、ゼロ地点のいまを見渡したい。 

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