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売り上げ激減で支払いに悩まされ、バッシングに苦しむ日欧「夜の街」の素顔

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来店客数が1割程度にまで低下

 一方、「武漢の報道は対岸の火事のように観ていましたが、日本の感染状況が悪化するにつれ、3月後半からすべての予約がキャンセルされ、この先どうなっていくのか不安しかありませんでした」と語るのは、池袋にある老舗大衆居酒屋・バッカスの店主だ。日々、深刻さを増していく状況に不安と戸惑いを隠せなかったという。 「来店客数が激減し、売り上げが普段の3分の1ほど、酷い日には1割程度になりました。高齢の従業員もいるので、感染リスクや自店がクラスター発生源になる危険も感じているなかで営業していたので、どうしようか悩んでいたところに緊急事態宣言が発令され決断に至りました」  当然だが、お店を休業するまでには激しい葛藤があった。 「正直、心が折れました。リーマンショックや東日本大震災や計画停電なども乗り越えてきましたが、比較にならないほどの売り上げ減と、先が見えない不安感しかありませんでした。損害は1か月完全休業していたので、その売り上げと家賃、管理費、光熱費、保険料などです。補償については東京都から感染拡大協力金、政府からは持続化給付金、どちらも満額給付されました」

売り上げは平時の3~4割

 なんとか休業期間は乗り越えたものの、日々増加する感染者や行政の動向に一喜一憂する日々が続いている。また、「夜の街」報道についても、心中は複雑だ。 「攻撃対象を作ることによって、民意を誘導するのは政治家の常套手段ですし、日本のメディアがそれに疑問を呈するような機能もないので、やむを得ないと苦笑いしています。売り上げは通常の3~4割、先日はプロ野球開幕という特別要素もあり8割になりましたが、通常の日は厳しい状況が続くと思います」  日欧、どちらも厳しい状況は続いている。このまま感染者が増加すれば、第2の休業を余儀なくされる可能性もゼロではないだろう。果たしてそれまで生き残ることはできるのか? 「負けちゃダメですよ。仕事と自宅だけでは生きられません。たとえ挨拶のハグはしなくても、会話はしなきゃいけないと思います」(黒いチューリップ) 「飲食店はかなり厳しい状況が続いており、先の見えないなか、残された体力を振り絞って営業を継続しています。今まで通っていたお店やお気に入りのお店がありましたら、難しい時期ではありますが足を運んでいただければと思います。また、お店によってはさまざまな工夫を凝らして試行錯誤していますので、通えない方はそういった方面で応援していただければ幸いです」(バッカス)  コロナウイルスの影響が「対岸の火事」ではないことは、世界中の人間が痛感したはずだ。  「夜の街」についても、「自分たちには関係のない世界」だとスケープゴートにするのではなく、一丸となって問題の解決に取り組めることが理想なのではないか。いつかコロナショックを乗り越えたとき、祝杯をあげるための憩いの場を見捨ててはいけない。 <取材・文/林泰人> 【林泰人】 ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン

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