人であふれかえる山奥の神社、「湯切り」で興奮は最高潮 秘境で約800年前から続く伝統の祭り始まる
長野県飯田市の遠山郷(上村・南信濃)に伝わる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)が7日、南信濃小道木の熊野神社と上村中郷の正八幡宮を皮切りに始まった。 【写真】人であふれかえる秘境の社殿
熊野神社では、地元の若手有志などでつくる「木沢霜月祭り野郎(やろう)会」の会員らが神楽を歌いながら、神々にささげる「湯立て」を続けた。日没後、禰宜(ねぎ)の鎌倉博登司(ひろとし)さん(85)が大天狗(てんぐ)の面(おもて)で登場。湯気が立ち上る釜の湯に手を入れて豪快にはじく「湯切り」を披露すると、人であふれかえる社殿内の興奮は最高潮に達した。
その後も数々の面が披露され、会場全体が一体となって盛り上げた。鎌倉さんは「毎年、霜月祭りで気力を取り戻し、新しい年を迎える。今年も祭りが大好きな老若男女の活力が一体となって祭りができて幸せ」と話していた。
約800年前から続くとされる祭りは旧暦の11月(霜月)に、太陽の復活と生命の再生を祈る。遠山郷各地区の8神社で21日まで行われる。